初先発で2回2失点…ロッテ・佐々木朗希 “怪物覚醒”のカギ握るヤクルト・奥川の「出世」

DeNAとの練習試合に先発したロッテ・佐々木朗

ロッテの佐々木朗希投手(19)が23日のDeNAとの練習試合(横浜)に、プロ2年目で初めて先発登板した。最速154キロをマークするも40球を投げて2回2失点。「なるべく少ない球数で投げようと思った。それが少しできなかった」と反省し、今後は二軍で実戦を積むことになったが、開幕ローテ入りを果たす同期のライバルが〝令和の怪物〟の闘争心に火をつけている。

初回、テンポよく11球で片付けて三者凡退。だが、2回二死無走者で田中俊を詰まらせた打球が内野安打となり、実戦2試合目で初めて走者を背負うと制球がバラつき踏ん張れなかった。

満塁のピンチを招いて投手の大貫に押し出し四球を与えると、続く桑原の初球を捕手が後逸して2点目を失った。「投げて課題が出てきた。去年と違ってしっかり向き合ってこれから練習できる」と前向きに話した。

プロ初登板だった12日の中日戦では1回を投げて変化球は1球のみだったが、今回はフォークボールやスライダーも試した。今後は二軍で球数を増やしていくそうで「今の僕はすべてを出し切ることができない。少しずつ成長していければ」。井口監督は「100球は最低、投げられないと上がれない。しっかりと体力づくりを続けてほしい」と期待した。

一軍デビューは先送りとなったが、佐々木朗は遅かれ早かれ、本当にブレークできるのか。そのカギを握ると言われるのがライバルの存在。中でも高校時代から共に豪腕として切磋琢磨を続けてきたヤクルト・奥川恭伸投手(19)の躍進と言われる。

「投げる、投げる」と言われながら結局1年目に一軍登板が実現しなかった佐々木朗とは異なり、奥川は昨年11月に一足早く一軍デビュー。3回途中5失点というほろ苦い船出だったが、順調にプロとしてのステップアップを踏んでいる。21日の西武とのオープン戦に先発登板した奥川は一軍最長となる4回2/3を投げて6安打3失点だったが、最速151キロを計測。試合後、高津監督は開幕3戦目となる28日の阪神戦(神宮)で先発登板させることを明言した。

奥川から常に刺激を受け続けてきた佐々木朗のこと。秘めた闘志が燃え上がることは容易に想像がつく。高校時代から佐々木朗を知る関係者も本人の気性をこう話している。

「佐々木はああ見えて、ものすごく負けず嫌い。特に同世代の投手には『負けたくない』という思いが強い。2019年にU18日本代表に選出された際なども、奥川の好投を見るたびに『自分も』と一人気持ちを高ぶらせていましたから。プロになってもこの気持ちは変わらないでしょうから、奥川の活躍が佐々木の動向に影響を及ぼす可能性はありますよ」

底を見せないポテンシャルに加え、好敵手の存在。〝令和の怪物〟の足音は着実に球界に響き始めている。

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