【新日本】飯伏“歴史への敬意胸に戦う”4・4IWGP世界ヘビー王座初防衛戦

飯伏(左)とオスプレイが新たな歴史をつくる(新日本プロレス提供)

新日本プロレスのIWGP世界ヘビー級王者・飯伏幸太(38)が「NEW JAPAN CUP(NJC)」覇者ウィル・オスプレイ(27)との初防衛戦(4月4日、東京・両国国技館)へ決意表明だ。IWGPヘビー級とインターコンチネンタル(IC)王座の統一により誕生した新設王座の記念すべき初タイトルマッチだが、かねての主張通り両王座の歴史を引き継いで大一番に臨む。

IWGP世界王座への挑戦権をかけたトーナメントは「ユナイテッド・エンパイア」を率いるオスプレイの優勝で幕を閉じた。飯伏は「NJCって自分が2015年に優勝した時もそうでしたけど“新しい”選手の方が有利というか、シングルの実績のある選手の方が逆に研究されて不利な部分があると思ってて。新しいチームになって注目はしてましたけど、本気のヘビー級のオスプレイを見たって感じでしたね」と振り返る。

21日に行われたオスプレイと鷹木信悟(38)の決勝戦(仙台)はゲスト解説として放送席で観戦した。「個人的には鷹木さんを応援してましたけどね。自分と同じくらいプロレスマニアだし、同じ年齢で同じ04年にデビューしてますから」としつつ、オスプレイが放った場外テーブル上へのファイヤーバードスプラッシュにはかつての自分を重ね合わせたという。

09年7月のDDT新木場大会で、現在のオスプレイと同じ27歳だった飯伏は高木三四郎に場外テーブル上へのフェニックススプラッシュを敢行した。「どのくらいリスクのあることかも分かるし、自分が戦っている姿を見ているようでしたね。俺もそのくらいかけてたなって。目の前で見て、よみがえったなと。記憶ではなく気持ちが」と刺激を受けた様子だ。

新設王座の歴史は現代プロレスの申し子・飯伏と、新世代を象徴するオスプレイの激突で幕を開ける。初代王者の初防衛戦として開催されるが、飯伏には別の思惑がある。「自分としてはあくまでIWGPヘビー4回目の、IC5回目の防衛戦だと思ってるんです。内藤(哲也)さん、ジェイ(ホワイト)、SANADAさん、エル・デスペラードとやってきた戦いは絶対にこれからもつながっていくし、王者として彼らの思いも背負った上で戦う義務があると思ってます」

かねてIWGPヘビー級とICの歴史を継承した上での王座統一を望んだ経緯がある。結果的には団体の決断により王座新設となったが、2冠戦線の流れがリセットされることは本意ではないからだ。「そういえば(1983年6月2日の)第1回のIWGP優勝戦(アントニオ猪木対ハルク・ホーガン)も蔵前(国技館)でしたね」と目を輝かせた飯伏。偉大なる歴史への敬意を胸に秘め運命のリングに立つ。

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