西武栗山は偉業まで74本、オリ増井は“珍記録”に王手 今季パで達成されそうな記録

西武・栗山巧【写真:荒川祐史】

鷹・和田はあと12勝でNPB通算150勝、ロッテ鳥谷は3000塁打へあと「48」

コロナ禍で異例のシーズンとなった昨年も多くの記録が達成された。涌井秀章投手(楽天)が史上初となる3球団での最多勝利投手を獲得し、周東佑京内野手(ソフトバンク)は13試合連続盗塁の“世界記録”を樹立。宮西尚生投手(日本ハム)は前人未到の350ホールドを達成するなどプロ野球界を盛り上げた。そして今季も達成が期待できる記録がたくさんある。2021年、節目の記録達成(※NPB通算)が期待される選手を球団ごとに紹介する。

ソフトバンクの今季達成されそうな記録【表:(C)PLM】

ソフトバンクは先発左腕の先頭を長く走ってきたベテラン・和田毅投手が節目の大記録を目前にしている。プロ19年目を迎える左腕が積み上げてきた白星は138勝(日米通算143勝)で、あと12勝を挙げれば150勝になる。2020年は16試合に登板し、8勝と衰え知らずの活躍を見せた。40歳で迎えるシーズン、記録達成の可能性にも期待したい。

バレンティン外野手は300本塁打まであと3本塁打、1000安打まであと9安打と目の前にまで迫っている。持ち前の打力なら大いに期待できるが、層の厚いホークスでレギュラーをつかみ取れるか。

ロッテの今季達成されそうな記録【表:(C)PLM】

ロッテでは、プロ18年目を迎える鳥谷敬内野手は通算3000塁打にあと「48」に迫っている。巧みなバットコントロールで安打を積み重ね、2000安打も達成した鳥谷はさらなる偉業の達成を目指す。

昨季、通算100セーブと500試合登板を達成した益田直也投手にはさらなる記録達成に期待。過去15人しか到達していない150セーブまであと「31」。120試合の昨季は31セーブを挙げている。600試合登板まではあと「74」。キャリアハイの登板数が必要になるが、今季の活躍に注目したい。

西武の今季達成されそうな記録【表:(C)PLM】

西武の注目はなんといっても栗山巧外野手。一流打者の証ともいえる2000安打まであと「74」としている。達成すれば球団生え抜き選手初の快挙となる。栗山と同期の中村剛也内野手は通算424本塁打。史上14人目となる450本塁打を狙う。獅子の“骨と牙”はファンの声援に応え、大記録達成となるか。

投手陣では、昨季最多セーブ投手賞の守護神・増田達至投手が150セーブまであと「14」。松坂大輔投手は通算1464回1/3、内海哲也投手は通算1988投球回で、節目の投球回まであと少しとなっている。近年は1軍登板も少なくなっているが、万全なコンディションで長く投げ続けてほしいところだ。

楽天の今季達成されそうな記録【表:(C)PLM】

楽天田中将はNPB通算100勝まであと1勝、日本ハム中田は1000打点へあと「63」

楽天では昨季最多勝を手にした涌井はここまで144勝を挙げ、2445回2/3を投げてきた。150勝&2500投球回に手が届きそうだ。144勝はパ・リーグの現役選手で最多の勝利数である。リーグを代表するエースは史上49人目の快挙となるか。また、日本に復帰した田中将大投手もNPB通算100勝まであと1勝に迫っている。

日本ハムの今季達成されそうな記録【表:(C)PLM】

日本ハムでは、昨季史上初の350ホールドを達成した宮西尚生投手がさらなる記録更新を図る。7人しか到達していない800試合登板まで、必要なのは自身最多タイの66登板。400ホールドまでは43ホールドと、今季の達成には大車輪の活躍が要求される。13年連続50試合登板と安定した働きを見せる鉄腕は、記録にどこまで近づけるか。

昨季は108打点で自身3度目となる打点王のタイトルを獲得した中田翔内野手は1000打点の大台まであと「63」。西川遥輝外野手は300盗塁まであと13盗塁。今季もチームの核として欠かせない2選手が、目前となった節目の記録に挑む。

オリックスの今季達成されそうな記録【表:(C)PLM】

オリックス増井浩俊投手はすでに全12球団からセーブを挙げており、さらに12球団から勝利を挙げればNPB史上初(残りはヤクルト)と、こちらの記録に期待がかかる。今季から在籍する能見篤史投手兼任コーチは史上57人目の1500奪三振まであと「4」に迫っている。昨季日米通算2000安打を達成したアダム・ジョーンズ外野手は日米通算300本塁打まであと「6」、1000打点まであと「12」としている。

ここまで選手たちが積み上げてきた数々の記録達成候補を紹介してきた。節目となる大記録達成の瞬間は多くの野球ファンが期待するところ。しかし、さらに見逃せないのが誰も達成したことのない新たな記録への挑戦だ。昨季は周東が“世界記録”を樹立した。今季も誰がどんな記録を生み出してくれるのか、期待をふくらませて開幕を迎えたい。「パ・リーグ インサイト」岡絃哉

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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