日本一長い? 諫早・金泉寺に8キロの参道 150年ぶりに再開通

再開通した金泉寺参道=諫早市高来町

 多良山系の標高約870メートルにある金泉寺(長崎県諫早市)へ通じる約8キロに及ぶ参道が約150年ぶりに再開通し、麓の同市高来町の一の鳥居前で24日、安全祈願祭があった。有森隆英住職がお経と祝詞を厳かに読み上げ、関係者や登山愛好家ら約15人が見守った。

 高来町史談会(山本秀範会長)によると、金泉寺は弘法大師が開いたとされ、太良嶽大権現(たらだけだいごんげん)の神宮寺として、江戸時代の諫早領主が庇護(ひご)。参道は春と秋の大祭参拝の際などに利用されていた。明治維新以降は神仏分離令などで参拝者が激減。一の鳥居は1874(明治7)年の台風で倒壊したが、2017年12月に再建された。しかし、参道はやぶに覆われ、不明のままとなっていた。
 その後、諫早家の領内図(1697年作製)に参道が描かれていると判明。太良嶽金泉寺護持協賛会(田川敏英会長)と多良岳に感謝の会(山本定則会長)が支援協力し、地番図を元にやぶなどを切り開き、約4カ月かけて整備した。参道の半分は舗装された林道など。案内板30本を立てた。
 山本会長は「約8キロの参道はおそらく日本一長いと考えられるが、さらに長い参道があればそこと一緒に盛り上げていきたい。若い世代にも興味を持って登ってもらえれば」と話した。
 一の鳥居から金泉寺までの所要時間は徒歩で約5時間。同史談会は参拝者に御朱印を準備しており、今年4~11月の間に最短時間で参拝した人には神米を贈呈する。問い合わせは同史談会(電090.9964.5219)。

厳かに読経と祝詞を読み上げる有森住職=諫早市高来町、金泉寺一の鳥居前

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