「楽天が独走する可能性」「オリに上がり目」 名手・飯田哲也氏がパ順位予想

ソフトバンク・周東佑京、楽天・田中将大、オリックスのアダム・ジョーンズ(左から)【写真:藤浦一都、荒川祐史】

千賀、東浜出遅れも「月日の経過とともに戦力が整う」ソフトバンク

26日にプロ野球のペナントレースが開幕する。田中将大投手が復帰して話題を集める楽天や、4年連続日本一と無敵を誇るソフトバンクなどが覇権を争うパ・リーグ。現役時代にヤクルト、楽天で外野手として活躍し、ゴールデングラブ賞7度の名手として鳴らした野球評論家・飯田哲也氏が順位を予想した。

1位 楽天
2位 ソフトバンク
3位 ロッテ
4位 オリックス
5位 西武
6位 日本ハム

楽天は先発ローテに顔を並べる田中将、涌井秀章、岸孝之、則本昂大の“通算538勝カルテット”をはじめ、投手陣が充実。飯田氏は「4本柱がしっかりしているので、大型連敗は考えにくい」と評する。さらに「野手も辰己(涼介)、小郷(裕哉)ら若手の成長で層が厚くなった」と評価する。

新外国人のブランドン・ディクソン、ルスネイ・カスティーヨはコロナ禍で当面不在だが、飯田氏がオープン戦期間中にヤクルト時代の同僚である石井一久監督にインタビューした際、指揮官は「外国人を使わなくてもいい状態」と自信をうかがわせていたという。その言葉も踏まえ「オープン戦ではいろいろな打順を試していたので、どんなオーダーを組み、どんな野球をやるのか開幕してみないと読めない。そこが楽しみでもある」と目を細める。

飯田氏が2019年まで5年間コーチを務めたソフトバンクも、楽天と甲乙つけがたい。昨年10月に13試合連続盗塁の日本記録を樹立し、シーズンを通しての活躍が期待される周東佑京の不振(オープン戦打率.133)が心配だと言うが、「開幕戦でヒットが出れば、ガラリと調子が変わるケースがあるし、いざとなれば牧原(大成)、明石(健志)ら取って代われる選手も控えている」とも。

投手陣を見ると、先発の千賀滉大、東浜巨が出遅れ。開幕ローテ入りを逃しただけに「楽天がスタートダッシュに成功すれば、独走する可能性がある。ただし、もたつくようであれば、月日の経過とともに戦力が整っていくソフトバンクが有利になる」と展開を読む。

オリックスに上がり目…先発3本柱に加え「モヤ、ジョーンズの状態がいい」

昨季2位のロッテについては「野球が上手いというか、少ないチャンスを点に結び付け、投手力で守り切るパターンが確立されている」と評価。Aクラス入りを予想する。一方、2年連続最下位で6年連続Bクラスのオリックスにも、今季は上がり目がある。先発陣は山本由伸、山岡泰輔、田嶋大樹の強力な3枚に加え、19歳左腕・宮城大弥が成長。昨季リーグワーストの442得点に終わった打線も「今季は吉田正尚だけではない。(アダム・)ジョーンズ、(スティーブン・)モヤの状態が非常にいい」と援護を見込める。

2018、19年のリーグ覇者で、昨季も3位に入った西武には「今のところ戦力的に上がり目が見えない」と指摘。森友哉、山川穂高、栗山巧のクリーンアップが控える打線では「金子(侑司)ら1、2番を打つバッターがどれだけチャンスメークできるか」。セットアッパーの平良海馬と抑えの増田達至が安定している投手陣では「6、7回を任される中継ぎ」が鍵を握ると見ている。

昨季53勝62敗5分で5位の日本ハム。今季はエース・有原航平がメジャーへ流出し「穴を埋め、さらに上位をうかがうのは容易ではない」と予想した。

8年連続で日本シリーズを制しているパ・リーグ。今季は例年にも増して高いレベルの熱い戦いが期待できそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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