松浦初のグランピング施設オープン 観光の魅力発信へ期待

コンテナハウスを利用した客室。家族がゆったり宿泊できるようになっている

 長崎県松浦市福島町に昨年7月、市内で初めてのグランピング施設「グランピングビレッジ シーグラン」がオープンした。グランピングとは、英語の「魅力的な」「華やかな」などを意味する「グラマラス」と「キャンピング」を組み合わせた言葉で、キャンプ用品や食材・食事などがあらかじめ用意され、気軽に豪華なキャンプが楽しめる施設。人口減少が続く同市の新たな観光の魅力発信、交流人口の拡大につながるとして期待されている。

 

 シーグランは玄海国定公園の景勝地「いろは島」に程近い同町喜内瀬免にオープン。対岸の佐賀県伊万里市波多津町でガラス繊維強化プラスチック(FRP)船を建造している浦田造船所(浦田文明社長)が運営している。
 元々は浦田社長(61)がクルーザーなどの修理工場を福島町内に建設するのに際し、船主らが修理中に宿泊する施設を計画したのが始まり。海沿いの約9千平方メートルの敷地には南国のリゾート地をイメージし、ヤシなどを植栽。宿泊用のコンテナハウス7棟やカフェを建設し、内装や家具はインドネシアの高級リゾート地・バリ島をモデルにデザインした。事業費は約1億5千万円。
 客室にはあえてテレビは置かず、潮の満ち引きや風など自然の音を体感できるようにして、都会では味わえない静寂な空間と時間を提供。シーカヤックや水上バイク、サンセットクルージングなどのマリンレジャーが手軽にでき、夕食では旬の食材を使った四つのバーベキューコースが楽しめる。
 料金は1泊2食付きで、家族向け宿泊棟のAタイプが大人1万6千円、グループ向けのBタイプが同1万5千円から。素泊まりでも食材を持ち込んでバーベキューができ、Aタイプ同1万1千円、Bタイプ同1万円に設定している。

南国リゾートをイメージしたシーグランの宿泊棟=松浦市福島町

 オープン当初はコロナ禍で集客に苦戦したが、ホームページでのPR効果もあり、最近は関東、関西からの一般客も増えているという。浦田社長は「宿泊がメインだが、日帰りでバーベキューを楽しみたいという声も多く、今後検討したい。将来はアスレチック施設なども整備し、年間を通じて利用してもらえる施設にしていく」と夢を膨らませる。問い合わせはシーグラン(電0955.47.3911)。

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