第93回選抜高校野球大会 常総学院アルプス席 初戦突破に歓喜「感動した」 声出し禁止「音」で一体

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十三回の一挙4点に沸く常総学院の応援団=甲子園球場

伝統のえんじ色が5年ぶりにアルプス席を染めた-。第93回選抜高校野球大会第5日目の第3試合。延長十三回タイブレークの3時間15分に及ぶ激闘を制した常総学院。最後の打者を二飛に打ち取って勝利を決めると、割れんばかりの拍手が起こった。応援席からは「感動した」「一安心。本当に良かった」との声が上がり、涙を流す生徒の姿もあった。

新型コロナウイルス感染防止のため、観衆は上限1万人で、アルプス席も千人まで。大きな声を出しての応援やブラスバンドの演奏禁止が余儀なくされた。それでも生徒や保護者、OBら約750人が応援に駆け付け、事前に録音された吹奏楽部の応援歌に合わせ、拍手や太鼓、メガホンをたたくなどして大きな「音」で選手を後押しした。

生徒たちは前日夜にバスで甲子園に向けて出発し、車内では応援指導部が作成した応援練習用の映像を見て、拍手のリズムを合わせる練習をしたという。延長十三回表に一挙4点を奪うと、アルプス席のボルテージは最高潮に。その裏の守備はアウトのたびに大きな拍手が送られた。初戦を突破し、同部の吉渓晶弥部長(17)は「回を重ねるごとに太鼓の音や応援の拍手も息の合った応援ができた」と喜び、「声が出せない分、気持ちを一つにして応援を続けたい」と力を込めた。

チアリーディング部の足立温(はる)部長(17)は「マスクで笑顔が隠れてしまうが、精いっぱい応援したい」と目尻を下げて意気込んだ。

捕手で主将の田辺広大さん(3年)の母、綾さん(46)は祈るようにして試合を見守った。「肩を組む『常総節』ができないのはさみしいという声が多い」とコロナ禍での応援について話し、「緊張も見られたが一安心。この勝利を次につなげてほしい」とエールを送った。