【センバツ】天理の長身エース・達が2安打完封で8強導く シャドーピッチングで「ハマった」

健大高崎を2安打完封に仕留めた達

優勝候補を相手に本領を発揮した。プロが注目する天理の〝193㌢長身右腕〟・達孝太投手(3年)が健大高崎戦で今大会最速148㌔を計測し、2安打完封。初戦の宮崎商戦で161球を投げ抜いた右腕は、この日も134球の力投でマウンドに立ち続けた。

まさに自信に満ちあふれた投球だった。球速にも表れたように自慢の直球が走った。「コントロールできて、スピードも出ていたので、空振りやファールが取れた。いつもならフォークに頼るところでも真っすぐで押すことができた」。長身から投げ下ろす角度あるストレートを軸に、変化球も相乗効果で生きた。8奪三振のうち、6個の決め球が直球。相手にイメージを植え付け、後半頭の6回は逆手に取るようにフォークで連続三振を奪った。強打が自慢の健大高崎打線に的を絞らせないセンスあふれる投球だった。

初戦のかさんだ球数が表すように芳しくなかった投球感覚が、前夜のシャドーピッチングで「ハマった」という。「いい時のテークバックの感覚が戻ってきた」。気持ちよく腕を振れたことが、球速と球のキレにつながった。「いらない四球が多かった」と6与四球を猛省したが、聖地で強敵を相手に実力を証明するパフォーマンスだった。

準々決勝・仙台育英戦に向けて「目の前の打者を全員三振に取る気持ちで抑えていきたい」と腕をぶした達。将来性豊かな今秋ドラフト候補が、春の主役に躍り出た。

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