フィギュアスケートの世界選手権(スウェーデン・ストックホルム)男子ショートプログラム(SP)が25日に行われ、五輪2連覇の羽生結弦(26=ANA)が106・98点をハイスコアをマークして首位発進を決めた。
銀盤の中央に立った絶対王者は腕を組み、微笑を浮かべた。無観客の会場に軽快なロックナンバー「レット・ミー・エンターテイン・ユー」が流れると、まるでファンの視線を全身で感じるかのように四肢を動かした。
冒頭の4回転サルコー、続く4回転―3回転の連続トーループを着氷させると、後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は出来映え点3・43点を加算。ステップでレベルを取りこぼしたものの、100点超えを果たした後輩の鍵山優真(17=星槎国際横浜)を上回る得点で貫録を見せつけた。
試合を終えた羽生は「全日本の時よりもすごく精神的にも安定して、一つ一つ丁寧にできていると思う」と話しつつ、フリーへ向けて「曲自体、プログラム自体から感じられる背景だったり、皆さんの中に残っている何か記憶だったり思い出が少しでも想起させられるようになったらいいなと思います」と語った。
なお、2位は100・96点の鍵山、ネーサン・チェン(21=米国)はジャンプ失敗が響いて98・85点の3位となった。