「見てろよ」日本ハム栗山監督“低評価”ズラリに猛発奮

低評価を見返す覚悟だ

日本ハム・栗山英樹監督(59)が屈辱の低評価を覆すべく、楽天との開幕3連戦に並々ならぬ意欲を燃やしている。

開幕戦前の前日練習では、主砲・中田ら一軍メンバーがおよそ2時間ほど精力的に汗を流したが、その傍らで「見てろよ」と改めて気合を入れていたのが何を隠そう栗山監督。というのも、開幕直前に出揃った野球評論家や球界OBのパ・リーグ順位予想で日本ハムが軒並み下位に予想されたからだ。

栗山監督は「いや、凄いよな今回は。だいたい(日本ハムの順位予想が)低いじゃない」と苦笑い。続けて「勝負師としては別に評価はどうでもいい。でも、あそこまでしっかり(下位に)並ぶとやっぱりね」とあまりの低評価ぶりに唇を噛みしめた。

昨オフにチームのエース格だった有原が米メジャーに移籍。昨季チームトップタイの8勝を挙げた助っ人右腕・バーヘイゲンも新型コロナウイル感染拡大による入国制限でいまだに来日できていない。この影響でチームは昨季以上に苦しい戦いを強いられる。加えて、開幕3連戦で対戦する相手先発投手は昨季パ・リーグ最多勝の涌井にメジャー帰りの田中将。第3戦には黄金ルーキー左腕・早川が立ちはだかる。戦前の予想では「勝ち越しどころか楽天に1勝することすら困難なのでは」と指摘する専門家もいるほど。戦力差は歴然なだけに日本ハムの劣勢は否めない。

ただ、日ごろから前向きな姿勢を崩さない栗山監督のこと。あえて自軍の低評価を発奮材料に、強敵撃破に向け怪気炎を上げることも忘れない。

「起こっている現象に対して、すべてを力に代えられなかったらやってる意味がない。相手が大きければ大きいほどこちらも力がもらえるわけだし。田中将との対戦? 選手たちが打ったら自信になるだろうし、勝ったら自信になる。そういう相手に向かっていくのもプロ野球の楽しみなので。良くも悪くも(チームの下位評価は)ファイターズへのメッセージと思ってやるしかない」

下馬評どおりか、それとも予想外の奮闘で周囲を圧倒するか。屈辱的な評価を下された日本ハムと栗山監督の戦いに注目が集まっている。

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