これは共感を呼ぶ傑作か? 目を背けたくなる問題作か? 危険な書下ろし長篇小説、朝井リョウ『正欲』本日発売

これは共感を呼ぶ傑作か? 目を背けたくなる問題作か? 曇りなく讃美される「誰もが自分らしく生きやすい、新しい時代」の虚像を引きはがし、白日の下に晒す――。朝井リョウ作家生活10周年記念作品・黒版『正欲』を本日3月26日(金)、 新潮社より発売。

この小説は、 紹介のあらすじをかんたんに書けない衝撃作。 作者が作った爆弾をそのまま受け止めてほしいーーそんな気持ちで、 送り出す。 呑気に多様性を語る私たちに、 〈普通でない〉痛みを負いながら生きること、 他者と繋がりつづけることの意味を問い、 読者の世界観を一新、 さらに自分は、 どう考えるのか、 刃を突きつけられる小説。

そして、 その背後には「どんなふうにでも、 生きていていいんだ!」「哀しみのなかでも、 生きていようよ!」と叫ぶ声が響いている。

だれもがマイノリティである独自の自分を持ち堪えて、 どう生きて行くか。 読後には、 ショックとともに、 他人目(ひとめ)や世間の尺度ではなく、 たしかな自分を感じながら生きていくための励ましが伝わってくるはず。 「『正欲』は、 自分の名刺がわりになる作品」と朝井さんは語っている。 〈いまの朝井リョウ〉を堪能できる最新作を、 ぜひ体感してみよう。

推薦コメント

――高橋源一郎さん(作家)

「みんなのヒミツ、 暴かれた。 朝井さん、 やっちまったね。 どうなっても知らないから。 」

――川谷絵音さん(ミュージシャン)

「この作品は、 人を生かしも殺しもする。 これ以上は言葉にできない。 」

――バービーさん(フォーリンラブ)

「行き場をなくしていた感情たちがパズルのようにハマって、 私の明日も動き出した。 」

――西川美和さん(映画監督)

「本書の中で繰り返し糾弾される「まともな側」に体を固定され、 読んでいる間じゅう登場人物たちに呪詛を浴びせられるようで、 たいへん苦しい読書体験でした。 人間存在の沼のような真理をついた厭世観と諦観に飲まれないようにするのが、 読後の精一杯。 」

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