F1バーレーンGP木曜会見(1):角田裕毅、シートポジションとペダルの調整に苦労したことを明かす

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 チームメートのピエール・ガスリーとともに、F1の木曜日の会見に初めて登場した角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)。角田は20人のドライバーの中で最年少であると同時に、最も身長が低い。そんな角田にF1の記者から最初にとんだ質問が、身長に関することだった。曰く、身長が小さいことによるアドバンテージはあるかという質問だった。すると、角田はこう答えた。

「小柄だということに関して、僕はそんなにアドバンテージがあるとは感じていません。もちろん、体重が軽いことでバラストを搭載する自由度が増えますが、そんなに大きくはありません」

「でも、逆に僕は体が小さいことで、視界を保つためにシートポジションを上げなければならないのですが、そうすると僕の場合、ペダルに足が届かなくなって、調整しなければなりません。だから、ちょうどいいシートを作るのが少し難しいんです。ピエールはどう思っているかどうかは、わからないけど……」

 するとガスリーが、こう続けた。

「冗談はよしてくれよ。このマシンをチームがユウキの体型に合わせて作ったのだとしたら、このモノコックは昨年のものだし、僕とダニー(ダニール・クビアト)に合わせて作られたものだから、それは関係はないと思うよ。僕はユウキよりは大きいけど、全体を見たら決して大柄ではないから、問題はないよ」

2021年F1第1戦バーレーンGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

 今年から、木曜日の会見には子供たちからの質問も寄せられるようになった。メルセデスのふたりのドライバーにはダニエルという子供から、こんな質問が。

「もし、ジーニーに3つのお願いをするなら、なんですか?」

 ジーニーとは、『アラジンと魔法のランプ』で、アラジンが砂漠の洞窟に置かれていた魔法のランプをこすると、ランプから現れた魔神だ。ランプに閉じ込められた魔神ジーニーは、自分をランプから出してくれたアラジンを『ご主人さま』とみなし、ご主人様の願いを3つ叶えてくれる……という話だ。

 するとルイス・ハミルトンは笑顔で「ダニエル、素敵な質問をしてくれてありがとう」と感謝の言葉を贈った後、しばらく考え込んだ。なぜなら、彼には叶えたい願いがなかった!!

「残念ながら、僕はほとんどすべてのものを手に入れたからなあ。他の人に聞いた方がいいかも」

 さすが、絶対王者のハミルトン。ただ、レース以外にはあるとこう答えた。

「すべての人たちに権利が平等に与えられる世界になってほしい。また食料がみんなへ必要なだけ行き渡ってほしい。世界から飢えをなくしてほしい。そして3つ目は、誰かこのような状況を救う人が現れてほしい。悲しむ人がこれ以上出てこない日が来ることを願いたい」

 子供の質問に対する、なんという完璧な答え。

2021年F1第1戦バーレーンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 ちなみに、主人公のアラジンの3つの願いは次の通りだ。
①王女ジャスミンと仲良くなりたいので王子にしてもらう
②国王の座を狙うジャファーに海へ落とされ死にそうになったときの救出
③ランプの魔神ジーニーを人間に戻す

 そして、ボッタスの答え。

「そうだね、穏やかで平和な世界になってほしい。いまはいろんなところで、少しクレイジーな状態になっているからね。もうひとつは、僕の家族と友人たちが健康であること」

 と、ここまでは理想的な大人の回答を行なったが、最後に少年の心がボッタスに戻ってきて、最後に思い切って、こんな願いを打ち明けた。

「F1のワールドチャンピオンになること」

 記者会見場に数秒間沈黙が続いたのは、言うまでもない。

2021年F1第1戦バーレーンGP バルテリ・ボッタス&ルイス・ハミルトン(メルセデス)