不起訴伊藤健太郎に巨額損害賠償 争奪戦に敗れた芸能プロ関係者は安堵

伊藤健太郎

道路交通法違反(ひき逃げ)などの疑いで逮捕され、25日に不起訴処分となった俳優・伊藤健太郎(23)の事件に伴う巨額の損害賠償額が一部で報じられ、波紋が広がっている。

昨年10月の事故で重傷を負わせたバイクの男女2人とは示談が成立し、東京地検は、2人が伊藤に処罰を望んでいないことから過失傷害容疑は起訴猶予、ひき逃げについても、犯意がみとめられず嫌疑不十分とした。

不起訴となったことで、伊藤は被告にもならずに済んだが、事件によって消えた仕事関連の損害賠償金の返済が今後重くのしかかる。一部ではCMやドラマ、舞台などの関係各所から求められている損害賠償額が総額7億5000万円という具体的な数字も報じられた。

広告代理店関係者は「伊藤を起用していた銀行や紳士服、飲料メーカー、コンタクトレンズなど14社のCMが放送できなくなり、違約金が発生したとみられる。契約金の2~3倍返しというのが一般的です」とみる。

今年1月に放送された木村拓哉主演の特別ドラマ「教場Ⅱ」(フジテレビ系)など、伊藤が出演し収録が終わっていた作品の取り直し費用、昨年月に主演予定だった舞台「両国花錦闘士」を降板したことによる損害金も発生したとみられる。

芸能プロ関係者は「当初、総額5億円くらいとみられていましたが、7・5億円とは予想以上。今後10年、20年は借金返済生活になるのも避けられない。賠償金は伊藤1人では支払えないでしょうから、所属事務所に一部肩代わりしてもらったり、先方に謝罪し、支払いを分割にしてもらったりすることになるでしょう」と話す。

事件を起こす前の伊藤はドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系)、NHK朝ドラ「スカーレット」で人気となり、映画にも主演するなど俳優としての将来を有望視されていた。

「事件の1か月前に伊藤は所属事務所を移籍したが、その移籍前、大手芸能プロを含めた数社で争奪戦が起きるほどだった。今となっては、そのとき手をあげた関係者は巨額の賠償金を背負うハメになってもおかしくなかったことから、冷や汗。ホッとしていますよ」(前同)

不起訴となっても、逮捕のイメージはぬぐえず、事件前のような仕事は望めない伊藤。一からの出直しとなりそうだ。

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