信号システム大手の京三製作所(横浜市鶴見区)は26日、本社工場で1月に発生した火災を受け、2021年3月期連結決算で約140億円の特別損失を計上する見通しだと発表した。火災で信号システム事業の製品や生産設備などが損傷したため。
同社は同日、未定だった21年3月期の業績予想を公表。売上高は前期比17.6%減の600億円、営業損益は5億円の赤字(前期は30億4400万円の黒字)、最終損益は160億円の赤字(同19億7400万円の黒字)とした。期末配当金は引き続き未定とした。
同社によると、今期中に取引先への出荷を予定していた製品の一部について、出荷時期が来期以降にずれ込んだため、売り上げの計上も来期以降となった。保険金受け取りの可否や金額は未定という。生産体制の完全復旧時期は21年度の前半を見込んでいる。
同社は同日、火災の影響を踏まえ、生産拠点の再構築計画を見直すことも明らかにした。総額約70億円を投じ、工場の増築工事や老朽化した建物の解体・構内整備などを予定していたが、既に完成したR&D(研究開発)センター以外の工事を中止する。
火災は1月14日未明に発生し、工場棟と倉庫棟の一部を焼いた。