巨人のエース菅野 開幕5勝目逃すも亀井が劇的サヨナラ弾「チームに感謝」

桑田コーチ(左)と話す菅野

日本一奪回に燃える原巨人が開幕戦となっ26日のDeNA戦(東京ドーム)で9回、先頭の代打・亀井善行外野手(38)の左翼スタンドに飛び込む本塁打で劇的サヨナラ発進を決めた。

試合は絶対的エース・菅野智之投手(31)が先発。自身7度目となる開幕投手の大役だったが、過去6度(4勝2敗)の開幕経験をもってしても、すんなりとはいかなかった。初回こそ三者凡退に抑えたものの、3点リードの2回からペースを崩す。2本の安打と四球から無死満塁とピンチを招くと、昨季にFA・梶谷の「人的補償」としてDeNAに移籍した田中俊に犠飛を放たれ、この日初失点。その後も危機は続き、二死満塁の場面で桑原にまさかの押し出し四球を与え、痛恨の2点目を失った。

続く3回にも再び田中俊に同点適時打を許し、後輩を〝男〟にしてしまったが、直後の攻撃で女房役・大城が放った勝ち越し3ランなどにも助けられた。菅野は「やはり開幕は独特の雰囲気はありました。追いつかれはしましたが、追い越されなかったことが自分の中では唯一良かった点だと思います。チームに感謝しています」と勝利投手の権限を持って6回3失点で降板したが、守護神・中川ら後続の投手陣が失点し残念ながら球団新記録となる開幕5勝目はなくなった。

前日25日の練習後には「(球団記録は)何も言われなきゃ意識しないが、そうやって言ってもらえるなら意識して。1年に1度しかチャンスがないので、そういうところも乗り越えてしっかり自分の力に変えたいです」と、記録更新への思いを口にしていた右腕。終わってみれば自身の〝記念星〟よりもベテランの一振りで得た勝利の方が格別だったに違いない。

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