今年の中日は違う!“スピードアップ”で得点力不足解消に光明

二盗を決める中日・高松(右)

今年の与田竜は一味違う。

中日は26日に広島との開幕戦(マツダ)で4点ビハインドの8回に一挙5得点を奪うなど7―6の逆転勝ちに成功。昨年までの懸案だった代打の切り札に福留孝介外野手(43)、代走のスペシャリストに高松渡内野手(21)らの存在が、チームの課題を解消しそうだ。

14年ぶりに古巣復帰した福留の初打席は、4点を追う8回一死二塁。代打で四球を選び、この回の大逆転劇の呼び水となった。「変な意識もなく、普通に打席に入れた。その後で打線がつながったので、いい四球になったのではないでしょうか」とにんまり。与田監督も「孝介もよく四球で、粘ってくれたり、控えの選手がみんな、数少ないチャンスで結果を残してくれた。非常にチームが一丸となって、開幕にふさわしい戦いができたのではないか」と目を細める。

とにかく得点力不足が深刻だった中日。昨季は8年ぶりにAクラス入りしたが、得点、出塁率、四球などリーグワーストで、盗塁もわずか33個と12球団最低のDeNA(31個)に次ぐブービーだった。そこで指揮官はキャンプから「スピードアップ」をテーマに掲げ、その甲斐あってかオープン戦では12球団トップの13盗塁を決めて「挑んだことが形になった。これが本番でどれだけできるか」と期待していた。

この日は1点リードの9回二死から四球を選んだ根尾の代走・高松がプロ初盗塁となる二盗に成功し、その後の追加点の起点となった。6回にも代打・滝野の今季初安打&プロ初盗塁もあり、いずれもプロ初の開幕一軍入りを決めた若手の躍進がキラリと光った。

与田監督は「高松もよく走った。滝野も代打でヒットを打った。普段、サポート役に回る選手がサポートしてくれた」と納得の表情。得点力不足という最大の弱点を克服できれば、このまま与田竜の開幕ダッシュがありそうだ。

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