【角田裕毅F1バーレーンGP密着】初日は僚友ガスリーを上回る7番手。無線では思わず怒りの叫び

©株式会社サンズ

 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)が2021年のF1にデビューした。日本人ドライバーがF1の公式セッションに参加するのは、2019年の山本尚貴(トロロッソ・ホンダ)以来、2シーズンぶり。またフル参戦ドライバーとして開幕戦でF1マシンを走らせるのは、2014年の小林可夢偉(ケータハム)以来、7年ぶりのことだった。

 角田に日本のF1ファンが熱い眼差しを送るのは、それだけが理由ではない。角田には、これまでの日本人F1ドライバーにはない才能を感じているからだ。そのひとつが若さだ。20歳の角田は、日本人として最年少でF1にデビューする。16歳で4輪のレースを開始した角田は、わずか5年でF1にデビューした。

 2016年から3年間FIA-F4を戦い、2019年からはヨーロッパでF3とF2を戦った角田。彼にとって最大のターニングポイントとなったはどこなのだろうか。

「すべてです。まずF4でチャンピオンを獲っていなかったら、海外に行くことはできなかった。F3では、もしイタリア(モンツァ)で勝っていなかったら、F2には行けなかった。そして、F2では(選手権である一定以上の成績を残して)スーパーライセンスを取っていなければ、いまはなかった。だから、すべてが僕にとってはターニングポイントでした」

2020年FIA-F2第12戦バーレーン 優勝を飾った角田裕毅(カーリン)

 すべてが全力。そうでなければ、わずか5年でモータースポーツの頂点にたどり着くことはできない。

 その姿勢はF1ドライバーになってからも変わらない。なぜなら、角田にとって、F1ドライバーになることは真の目標をつかみ取るためのひとつの手段にすぎないからだ。その目標とはチャンピオンになること。そのために、日々、努力を怠らない。

 開幕戦の2週間前に行われた合同テストでも、さっそく課題を見つけた。それは風の使い方だ。

「F1はほかのカテゴリーのマシンに比べてダウンフォース量が大きいので、風の影響もまた大きい。プレシーズンテストではセッションごとに風の向きも量も変わっていて、それによってブレーキングの限界点も変わるわけですが、まだそこを理解できていない。たとえば、向かい風が強くなれば、それだけダウンフォースが増えるので、もっと突っ込めるのですが、その使い分けが完全にはできていない。(ピエール)ガスリーはそういうところがうまく、コンディションに応じて走り方を使い分けている。風に合わせるドライビングをもっと磨きたい」

2021年F1プレシーズンテスト2日目 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

 しかし、そんな角田の行手を阻んだのがトラフィックだった。フリー走行1回目のセッションの後半で、渋滞にはまった角田は、思わず無線で叫んだ。

「Come on, I’ve got ing traffic!」(ちくしょう、渋滞につかまってしまったよ)

 ルーキーらしからぬ、暴言とも思える無線。しかし、それはF1の経験がなく、1ラップも無駄にしたくないという角田らしい怒りだった。

 そのなかで、初日はチームメートのガスリーを上回る7番手。無線だけでなく、結果でも、角田はルーキーらしからぬデビューを飾った。

2021年F1第1戦バーレーンGP FP2で僚友ピエール・ガスリーの背後を走る角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)