【フィギュア】紀平 時差ボケでまさかの7位惨敗!「イチから本気でやり直したい」

まさかの7位に終わった紀平(ロイター)

まさかの惨敗だ。フィギュアスケートの世界選手権(スウェーデン・ストックホルム)女子フリーが26日(日本時間27日)に行われ、ショートプログラム(SP)で2位のエース、紀平梨花(18=トヨタ自動車)はミスが立て続いて126・62点と低迷し、合計205・70点で7位に転落した。表彰台を強豪ロシア勢に独占された紀平は悔しさをにじませ、来年の北京五輪へ向けて巻き返しを誓った。SP6位の坂本花織(20=シスメックス)が137・42点。合計207・80点で6位となり、上位2人の合計順位が「13位以内」を満たしたため、日本は来年の北京五輪の出場枠「3」を確保した。

逆転Vどころか、かつてないほど無残な結果だった。

昨年12月の全日本選手権で成功させた4回転サルコーは本番直前に回避を決め、冒頭はダブルアクセル(2回転半)とした。続くトリプルアクセル(3回転半)では体勢を崩して転倒。ステップやスピンでも取りこぼし、終盤のジャンプでも着氷が乱れてしまった。フィニッシュした紀平はいつものように笑顔を見せたが、表情はこわばり、目の奥は笑っていない。試合後は「申し訳ない気持ち」を何度も繰り返し、敗因として「調整ミス」を挙げた。

期待された4回転サルコーは本番とは違うサブリンクでの練習となったため氷に合わせることができず。さらに想定外の“時差ボケ”が紀平を襲った。SPの演技は夕方だったが、この日のフリーは午後9時半近く。「気持ちは集中できていたのに体は寝ている状態。朝早く起きずに、しっかり夜型にしておくべきでした」。以前に故障した足に痛みもあったが、それ以上に「足がガクガクして全然、力が入らなかった。練習してきたことが出せるような力の入り具合ではなかった」と、夜の時間帯に合わせられなかったことを猛省した。

金メダルを目指す来年の北京五輪まで残り1年。表彰台をロシアに独占された紀平は「イチから本気でやり直したい。明日から気持ちを入れ替えてやるぞって感じ。来シーズンはこのようなフリーを二度としない」と早くも逆襲に燃えている。

そのプランはこうだ。

「構成(プログラム)を今よりもっと難しくして、本番で少し下げても自己ベスト更新できるくらいにしたい。4回転も2本入れるくらいの練習をしていきたい。この成績を受け止め『足りないよ』って言われていると思って、何もかも追い込まなきゃいけない」

逆転Vなら日本人では浅田真央(30)以来の世界女王戴冠であったが、夢はお預け。今回の悔しさをバネに真央が成し遂げられなかった五輪金メダルを狙いにいく。

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