3/27が誕生日!マライア・キャリーが復活を果たした2005年の大ヒット曲を振り返る

マライア・キャリー(Mariah Carey)は、1990年にデビューアルバム『Mariah Carey』をリリースして以来、最も成功したポップスターの一人となり、1993年の『Music Box』と1995年の『Daydream』の2枚のアルバムは米レコード協会によって1000万枚の売り上げを記録した作品であるダイヤモンド・ディスクに認定されている。

しかし、21世紀に入ってからは、彼女の支配が続くかどうかは不明であった。2001年のアルバム『Glitter』は批評家から酷評され、2002年の次のアルバム『Charmbracelet』もあまり良い結果を残せなかった。そこでマライアは、アーティストとしても人間としても再構築するために短期間の活動休止を行い、3年後に盛大なカムバックを果たすことになる。

そして2005年にリリースされた『The Emancipation of Mimi』は、マライア・キャリーの10枚目のアルバムであり、最もパーソナルな作品となった。アルバムには様々な楽曲が収録されており、クラブ・レディーな「It’s Like That」、気合いの入った「Shake It Off」、ノスタルジックな「Don’t Forget About Us」、そしてスヌープ・ドッグとの再会を果たした「Say Somethin」など、彼女の個性が多面的に表現されている。しかし、彼女が復活を果たした楽曲は「We Belong Together」だった。

<動画:ミュージック・ビデオ We Belong Together

アルバム『The Emancipation of Mimi』からの2枚目のシングルだった「We Belong Together」は、マライアに対して否定的な人たちを再び彼女の魔法の下に誘い、彼女のファンに対しても彼女を好きになった要素を全て兼ね備えていた。繊細なピアノの旋律を中心に構成されたこの曲は、マライアの象徴的な5オクターブのボーカルレンジを余すところなく使いながら、恋人の帰りを待ち望むという、完璧な構成のバラードだ。ブレット・ラトナーが監督したミュージックビデオでは、マライアが年上の男性と結婚する準備をしているが、最後には元恋人と再会するために結婚式から逃げ出す様子が映し出される。これは実生活を暗示しているのではないかと噂されていた。

レコーディング中のマライアが快適な状態にいたことは明らかだ。彼女は、長年のコラボレーターであるジャーメイン・デュプリや、メアリー・J・ブライジの「Be Without You」やアリーヤの「Miss You」などのヒット曲を手がけているジョンタ・オースティンとともにこの曲を作り上げた。特にジョンタ・オースティンは重要なパートナーであり、彼は2015年に『Vogue』誌にこう語っていた。

「2番のヴァースは(今のものとは)違っていたんです。ジャーメインは吹っ切れていなかった。彼は僕のところに来て、“ヴァースをひとつ考えてほしい、君ならできると思う”と言ったんです。僕はボビー・ウォマックのラインを投げてみたんだけど、かなり好評でした」

「We Belong Together」は大ヒットを記録した。マライアにとって16枚目のNo.1シングルとなり、全米シングルチャートでは14週連続で首位を記録、最終的にビルボードによって「10年に一度の曲」と評されるほどになった。マライアは2018年にこう語っていた。

「あのレコードを作った時は、私の人生の中で本当に特別な時だったから、あの時のことを考えると今でも鳥肌が立ちます」

そこに至るまでの右肩下がりだった状況の中、彼女は「We Belong Together」で自分が止められない力を持っていることを再び証明した。毎年末、必然的にチャートに登場する「All I Want For Christmas Is You」から、2020年に発表された回顧録『The Meaning of Mariah Carey』まで、彼女の影響力は今日まで続いているが、それはすべて、彼女が音楽業界の期待から自分を解放したからである。

Written By Bianca Gracie

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「We Belong Together」収録アルバム
マライア・キャリー『The Emancipation of Mimi』
2005年5月30日発売

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