【センバツ】智弁学園が5年ぶりベスト8 背番号10・小畠が〝18ゴロ〟で完投「三振少ないと分かってた」

背番号「10」を躍動させ、力投した小畠

5年ぶりの8強入りを決めた。智弁学園(奈良)が「第93回選抜高校野球大会」(甲子園)8日目の26日、第1試合で広島新庄(広島)に5―2と逆転勝ち。優勝した2016年以来となる準々決勝進出を果たした。奈良県勢は天理も8強入りを決めており、2校揃ってのベスト8入りは1977年以来44年ぶりとなった。

背番号「10」の先発・小畠一心(3年)の巧みな投球が光った。コンパクトな投球フォームから140キロ前後の直球とツーシームをコーナーに散らしつつ、変化球とのコンビネーションで低めについた。打たせてとる投球術を心がけ、6安打2四球2失点、123球で完投勝利。終わってみれば、28個のアウトのうち奪ったゴロアウトは「18」に達していた。

試合後の右腕は「広島新庄さんは三振が少ないと分かっていた。自分は三振を取りにいくタイプだと思ったが、そこは割り切って(捕手の3年・)植垣とも話をしながら打ち取る投球を心がけた。要所を締める投球はできたと思う」と振り返り、胸を張った。

打線も奮起した。1点を追う3回に3連打を含む4安打の猛攻を浴びせ、一気に3点を奪って逆転。その後も1点リードの4回に初スタメンの中陣六斗(2年)が犠飛を放つなど効果的に得点を重ね、相手を突き放した。
試合後の小坂将商監督(43)は「今日は苦しい展開になるのは想定して甲子園球場に来た。小畠がまさか完投してくれるとは思わなかった。丁寧にしっかり低めに集めて放っている分、ゴロになったと思う」と目を細めていた。

28日の準々決勝では明豊(大分)と対戦する。

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