差別ない世界、風船に願い  那覇、児童ら「ピンクシャツデー」

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、差別や偏見、いじめがなくなることを願い、沖縄YMCA(真栄田篤彦理事長)が運営する学童クラブは27日、那覇市の与儀公園でピンク色の風船を飛ばした。カナダで始まった「ピンクシャツデー」にちなんだ取り組み。学童クラブの児童ら約20人が参加し、願いを多くの人に届けようと、風船にメッセージを結び付け、一斉に手放した。  日本ピンクシャツデー公式サイトによると、ピンクシャツデーはカナダ・ノバスコシア州の学生が起こした行動がきっかけ。同州の学校で男子生徒がピンク色のポロシャツを着て登校したところ、ホモセクシュアルだとからかわれ、暴行を受ける事件があった。心を痛めた上級生がピンク色の服を着て登校することを呼び掛けると、賛同者は学校全体に広がり、いじめはなくなったという。カナダでは2月の最終水曜日がピンクシャツデーとなった。

 

 沖縄YMCAも当初は2月24日に予定していたが、緊急事態宣言中だったことなどから延期した。

 27日午後、与儀公園に集まった子どもたちは興奮した様子で風船をくくりつけたひもを持ち、掛け声に合わせて一斉に空に放つと「わーっ」と歓声が上がった。那覇市立神原小の児童は「コロナが収まってほしい」とメッセージをつづった。同小の別の児童は「いじめや戦争が本当になくなってほしい」と思いを込めた。

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