「県警は変わらねばならない」関係者受け止め 「パワハラ」「超過勤務」佐世保署員自殺

 佐世保署員の自殺の背景にあったパワハラと超過勤務。県警関係者はどう受け止めているのか。
 ある元幹部は「部下が公私で抱えている悩みはないか。仕事量は大丈夫か。上司は部下に目配せして理解し、行動するのが職責。果たしてその姿勢があったのか」と疑問視する。
 元幹部は、かつて県警でも「今でいうパワハラ」のような指導も多かったと明かす。仕事を割り振られず「無視」された経験を振り返り、「無視はその人が仕事に掛けてきた時間と努力を否定すること。最も危険なパワハラだ」と話す。
 適切な指導とパワハラの境界線は何なのか。ある若手の男性警察官は「犯罪に立ち向かい、時に命に関わる仕事だから厳しい指導も仕方ない。問題はその指導が仕事に関係し、改善につながるものなのか否か。そうでない行為も実際にある」と指摘する。
 「部下が公私を分けたいのかどうかを見極める姿勢が上司には必要」と語った上で、切実な思いを口にした。「元警部補は命を賭けて現状を訴えた。それがどれだけ深刻で重大なことなのか。県警は変わらねばならない」


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