マスク手作りしたら…家庭用ミシン輸入が過去最高 20年横浜港、「おうち時間」需要拡大

マスクを手作りする人が増え、需要が拡大している家庭用ミシン=横浜税関

 2020年に横浜港で輸入された家庭用ミシンは、数量・金額ともに過去最高だった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、マスクを手作りする人が急増。「おうち時間」の増加に伴い、ものづくりの楽しさが見直され、ミシンの購買層が広がったことが背景にあるとみられている。

 横浜税関の発表によると、家庭用ミシンの全国の輸入数量は、2000年に過去最高を記録。低価格ミシンの登場で市場は拡大したが、その後は減少基調をたどっていた。共働き世帯が増え、既製の入園・入学グッズを購入する傾向が強まったことも要因という。

 一方、横浜港における20年の輸入数量は、前年比2.8倍の27万2千台。金額は、同2.1倍の29億円だった。ドラッグストアなどで一時、マスクの品薄状態となり、家庭用ミシンの需要が急拡大。3~4月頃から在庫不足となり、急きょ海外の工場で生産されたものが6月以降、日本へ到着した。横浜港での輸入シェアは中国がトップ。ベトナム、タイ、台湾が続いた。

 「マスクを作った人が、『おうち時間』の増加をきっかけにさまざまな作品を作り始めた。従来の購買層は入園・入学グッズを作る20~30代や50歳以上の女性が中心だったが、ユーザー層が広がった」と同税関。今後の動向については「21年上半期の輸入も平年より多くなるものの、徐々に国内需要は落ち着く」とみている。

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