ヤクルト開幕3連敗…身内から「やっぱりね」の声

貧打を嘆いた高津監督

このトンネルに出口はあるのか。ヤクルトは28日の阪神戦(神宮)に2―8で敗れ、2016年以来の開幕3連敗を喫した。本拠地開幕3連戦3連敗は野村監督時代の1998年以来の屈辱。先発・奥川恭伸投手(19)は5回3失点と粘ったものの、5投手で計8点を献上するなど、2戦連続で投手陣が火だるまにされた。

打線も深刻だ。相手先発のガンケルに散発3安打。0―7の8回に山田の1号2ランが飛び出して零敗は免れたが、高津監督も「点を取ったところは良かったかもしれないですけど、打線のつながりというふうに見たらまったくですね」と嘆くばかりだ。

開幕3連戦を終えて、レギュラークラスで打率3割を超えるのは青木と中村だけ。山田が13打数2安打で1割5分4厘、村上は11打数1安打で9分1厘と苦しんでいる。この3試合は一度もリードする場面がなく、常に追いかける展開だった。

この惨状には身内のチーム関係者からも「やっぱりね」の声が聞こえてくる。昨年、国内FA権を取得した山田、小川、石山の残留交渉に成功。ソフトバンクを退団した安打製造機の内川、日本で2度の2桁勝利をマークしているバンデンハークを獲得し、開幕前には交換トレードで巨人から田口も加わった。

それでもヤクルト関係者は「FA組の3人の残留はプラスじゃなくて、マイナスにならなかったというだけ。補強はしたけど他のチームと比べたら戦力の上積みはそれほどない」と冷静に話し、別の関係者も「他球団は新しい選手がどんどん出てくるけど、うちはそこがない」と天を仰ぐ。

2年連続最下位から脱出すべく、今年は並々ならぬ準備をして臨んだはずだった。しかし、浮上のキッカケすら見えてこないのが現状だ。

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