津波注意報で避難指示どうする? 進む高台移転、沿岸市町の対応分かれる

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 宮城県沿岸に津波注意報が出た20日の地震で、避難情報を巡る沿岸市町の対応が分かれた。9市町は県の津波対策指針に沿って、より切迫度の高い避難指示を発令する一方、6市町は避難勧告や注意喚起にとどまった。東日本大震災後は高台移転など津波対策が進んでおり、自治体は県の指針の重要性に理解を示しつつ頭を悩ませている。
 6市町のうち石巻市、気仙沼市、南三陸町、女川町は各市町の地域防災計画に沿って注意喚起を行った。東松島市と利府町もそれぞれの判断で避難勧告と注意喚起を実施した。
 津波注意報の津波の予想高は1メートル以下。女川町や南三陸町は高台移転が進んでおり、女川町の担当者は「町民は津波の予想高よりもっと高い場所に住んでいる。避難指示で混乱しないだろうか」と話す。両町なども津波警報以上が発表されれば避難指示か避難勧告を出す。
 震災後のまちづくりを踏まえた県の最大級の浸水想定範囲は示されていない。市域が広大な石巻市の担当者は「避難対象地域をどうするか、根拠となるデータがないと厳しい。避難は重要だが、いろいろな影響がある」と説明する。
 気仙沼市は、県の指針に合わせて地域防災計画を変更する方針だ。災害時の避難勧告を廃止して避難指示に一本化する法改正の動きもある。
 菅原茂市長は「最悪の想定をするのが防災だ。ただ津波や風水害で頻繁に避難指示が出て、いざというとき避難につながらないことは警戒しなければならない」と話す。
 県は2017年10月、津波注意報以上で避難指示を発令するよう津波対策指針を改定した。16年11月の福島県沖の地震で津波警報が出た際、各市町村の対応がばらついたことを踏まえ、国のガイドラインにも準じた。