ふだんの食事には、野菜をたくさん取り入れたいところ。
でも、なかなか野菜を十分に食べるのは難しいですよね。
そんなときにおすすめな、野菜がタップリで品数もたくさんな弁当があります!
弁当を販売しているのは、JR福山駅前の「かみてつ青果店」。
しかも、かみてつ青果店では弁当だけでなく、野菜タップリのスープカレーやグリーンスムージーもあります。
さらに野菜や米なども販売しているのです。
いずれの野菜も、地元の生産者がこだわって栽培したもの。
さらに、米は自社農場で栽培されているのです。
地元食材にこだわるかみてつ青果店について、魅力や特徴を探っていきます。
かみてつ青果店は伏見町にある野菜弁当やスープカレーが人気の店
かみてつ青果店は、野菜をふんだんに使った弁当やスープカレー、スムージー、青果、米などを販売する店です。
場所は、JR福山駅の南東・伏見町の一角にあるビル「WATERING HOLE(ウォータリング・ホール)」1階。
なお、かみてつ青果店の1軒東隣には「備後福山ブルーイングカレッジ&THE BEER」、2軒東隣には「Join Spot 伏見町/Freeman Coffee」もあります。
向かいには「旧水曜カレー」や老舗の和菓子店「富久屋本舗(ふくやほんぽ)」なども。
なお、かみてつ青果店の店内にはイートインスペースもあります。
スープカレーやグリーンスムージーなどを、店内で楽しめます。
かみてつ青果店のメニュー
価格は消費税込。2021年(令和3年)2月時点の情報
かみてつ青果店の看板メニューは「お野菜弁当」。
おかずのみが850円、雑穀ごはん付きで1,000円です。
お野菜弁当は準備する食材の関係で、必ず前々日までに予約をしてください。
予約は公式インスタグラムのダイレクトメッセージ、または電話にて受け付けています。
なお予約の連絡は、営業時間中にしてください。
ほかにも「八百屋のスープカレー」(1,000円)や「八百屋のグリーンスムージー」(500円)もあります。
スープカレーとスムージーは、イートインでもテイクアウトでもOKです。
しかも、どちらとも予約なしでも楽しめます。
「お野菜弁当」は野菜タップリで品数が豊富!
看板メニューの「お野菜弁当」(おかずのみ 850円)。
お野菜弁当は彩り豊かで、見た目でも楽しめる弁当です。
内容は、食材の入荷状況により変わります。
取材時(2021年2月)のお野菜弁当は、以下のとおりでした。
- ピクルス(赤・黄)のマリネ
- ビーツの煮物
- イタリアンパセリ
- シイタケの肉詰めの天婦羅
- サトイモのカレーコロッケ
- コマツナとエノキダケのお浸し
- 内海産海苔入り世羅産卵の磯辺巻
とにかく品数が豊富なのでうれしいです。
ビーツや食用の花などは、福山市北部「H2Oファーム はっとりほたるの里」から仕入れているそう。
たくさんあるなかから私が注目したのは、玉子焼。
玉子焼の中には海苔が巻かれています。
実はこの海苔は、市内南西部・内海町産の海苔なのです。
また、棒状の天婦羅(てんぷら)も気になります。
こちらは、チーズを豚肉で巻いたものを天婦羅にしています。
シイタケの肉詰めの天婦羅もおいしかったです。
シイタケの笠の内側に挽き肉を詰めているのです。
肉のうまみとシイタケの食感と風味が、同時に味わえます。
見た目のインパクトがあるのが、紫色をした野菜。
これは「ビーツ」という野菜。
ビーツのもつ甘さを楽しめるよう、サッパリとしたやさしい味付けにしています。
たんに品数が多いだけでなく、それぞれの料理で素材の味を生かしているのが、かみてつ青果店の野菜弁当のポイントです。
野菜弁当は雑穀ごはん付きにもできる!
お野菜弁当に150円プラス(合計1,000円)すれば、雑穀ごはん付きにできます。
雑穀は十八穀です。
雑穀ごはん付きは会社や出先で食べるときや、家で米を炊いていないときなどに便利です。
しかも、栄養価も高いのも魅力ではないでしょうか。
「八百屋のスープカレー」は15種の野菜が入ってスパイシー
かみてつ青果店のもうひとつの看板メニューが「八百屋のスープカレー」(1,000円)です。
スープカレーは予約なしで、当日でも食べられます。
またイートインとテイクアウト、どちらも利用可能です。
スープカレーには、お野菜弁当のごはん付きと同じ雑穀米が付きます。
スープカレーには、ドッサリとたくさんの野菜が入っています。
しかも一切れ一切れが大きめサイズ。
入る野菜の種類は、なんと全部で15種類!
取材時(2021年2月)は、以下の野菜が入っていました。
これだけたくさんの野菜を一度に食べることは、なかなかありません。
なお、スープカレーに入る野菜は入荷状況によって変わり、季節によっても変わります。
たくさんの具材の下には、大きなキャベツ葉が隠されていました。
これは食べごたえがあります。
そして、キャベツのやさしい甘さが楽しめました。
かみてつ青果店のスープカレーは、甘みとうまみタップリの奥深い味わいが口に広がり、スパイスの心地よい風味も広がります。
そして、そのあとじょじょにピリ辛感がやってきました。
「八百屋のグリーンスムージー」
「八百屋のグリーンスムージー」(500円)も、予約なしで楽しめます。
もちろんテイクアウトとイートイン、どちらもOKです。
かみてつ青果店のスムージーは、4種類の野菜が入ります。
- コマツナ
- パプリカ
野菜のほかにリンゴ・バナナ・パイナップルをカットして冷凍したもの、牛乳などとともにミキサーにかけてスムージーができあがります。
八百屋のグリーンスムージーは、甘みとみずみずしい酸味があり、そのなかにときどきシャキシャキとした食感があるのが印象的。
とても飲みやすく、フルーティーでさわやかな味わいでした。
店内では地元産の新鮮野菜や自社農場の米なども販売
価格は消費税込。2021年(令和3年)2月時点の情報
かみてつ青果店では、青果物などの販売もしています。
料理に使われている野菜や果物をはじめ、いろいろな農産品がならんでいました。
気になったのは、以下のもの。
- 福山市田尻産 ケール
- 福山市瀬戸町「しもみん農場」のニンジンドレッシング
- 自家製 ローストビーフサラダ
世羅町にある自社農場で採れたコシヒカリと、ごはんに混ぜて炊いて雑穀ごはんにできる雑穀もあります。
また、加工品も販売しています。
沼隈産ブドウを使った「葡萄(ぶどう)畑のジュース」と、瀬戸田レモン・ちりめんじゃこ・ジャガイモを使った「瀬戸内せんべい」がありました。
「手づくりあんぷりん」は世羅産卵を使用、老舗和菓子店の粒あん入り
店内で販売されている「手づくりあんぷりん」(380円)。
プリンは、自家製。
代表の上中谷さんが手づくりしています。
しかもプリンに入る粒あんは、店の向かいにある老舗和菓子店「富久屋本舗」のもの。
なんと小豆を薪(まき)で炊いてつくっているという、こだわりの粒あんなのです!
プリンは、プルプルとしていて滑らかな舌触り。
玉子の風味が濃厚で、ほどよい甘さです。
底に入っている富久屋の粒あんは、小豆の食感と上品な甘み。
粒あんとプリンがベリーマッチです。
いろとりどりのこだわり野菜が楽しめる かみてつ青果店。
運営する株式会社はなび 代表の上中谷 哲(かみなかや てつ)さんにインタビューしました。
かみてつ青果店の上中谷 哲さんにインタビュー
いろとりどりのこだわり野菜が楽しめるかみてつ青果店。
運営する株式会社はなび 代表の上中谷 哲(かみなかや てつ)さんにインタビューしました。
地元生産者の食材を使った料理を家庭にとどける「架け橋」に
──開業の経緯を教えてほしい。
上中谷(敬称略)──
かみてつ青果店の開業は、2020年(令和2年)12月です。
弊社は別の場所で、「季節や はなび」という店を運営しています。
かみてつ青果店は、その姉妹店です。
はなびでは、福山周辺の野菜や米など多くの生産者さんの食材を使っています。
また弊社は世羅郡世羅町(せらちょう)に、自社農場もあるんです。
地元の生産者さんのつくる食材を、地元の人にもっと知ってもらい、食べてほしいとずっと思っていました。
そのためにはどうすればいいのかと考えていたんです。
そして、生産者さんの「つくる喜び」「つくる楽しみ」といったやりがいを伝えられる場所、生産者さんの顔が見える場所をつくりたいなという思いが浮かんできました。
そんなときに、2020年から新型コロナウイルス感染症が流行します。
その結果、家庭で食事をすることが増加しましたよね。
ご家庭で、地元生産者のつくった安心・安全な食材を使い、健康でおいしい食事が食べられる店をつくりたいなという気持ちもありました。
そこで、野菜を中心とした地元の生産者さんの安心・安全な食材を使った料理をつくり、食卓に届ける店をつくろうと思い立ったんです。
生産者さんとお客さんのあいだの「架け橋」のような店を目指しています。
ちなみに「かみてつ」は、私の名前の略に由来していますよ。
生産者が新たな生産者を紹介してくれる
──生産者とはどのようにつながってきたのか。
上中谷──
生産者さん同士の横のつながりがありまして、生産者さんから別の生産者さんを紹介していただけることが多いです。
福山には、おもしろい生産者もたくさんいます。
たとえば、冬だけしかつくらないキュウリ農家さんとか。
キュウリは夏野菜じゃないですか。
でもあえて冬に栽培することで、キュウリの少ない時期にキュウリを提供しているんですよ。
まだまだ知られていない、魅力的な生産者さん、魅力的な食材が備後にはあります。
それらを当店を通じて知っていただきたいですね。
──どんなお客さんが多い?
上中谷──
年齢層は幅広く、性別では女性のかたが多めです。
9割くらいが女性じゃないでしょうか。
一番多い年代は、30〜40代かな。
店の公式Instagramを見て、興味をもって来ていただけるかたが多いようです。
ご年配のかたも多く、クチコミによる紹介で来ていただけるケースが多いですね。
品数はたくさんに!食材本来の味を感じてほしい
──店のこだわりはどんな点?
上中谷──
もちろん、地元の安心・安全な食材を使っている点です。
ほかには、お野菜弁当の品数をたくさんにしていることですね。
品数が増えれば手間暇がかかります。
味が重複しないように、選ぶ品も考えていかねばなりません。
私が大事にしているのが、素材そのものの味を生かすことです。
あまり味を濃くしてしまうと、素材の良さがわかりにくくなります。
せっかく生産者産がこだわってつくった食材。
食材がもつ、本来の味・おいしさを楽しんでもらいたいんですよ。
お野菜弁当では、たくさんの食材を使います。
多くの食材本来の味を生かすには、品数は多いほうが楽しめるんですよ。
あと私は野菜コーディネーターの資格を持っているので、野菜を生かした料理を考えています。
やっぱり旬のものがおいしいので、旬の食材は積極的に使っていますね。
野菜をおしく楽しむためのスープカレー
──お野菜弁当のほかにスープカレーがあるが、それはなぜ?
上中谷──
食材の仕入の関係で、お野菜弁当は前々日までの予約が必要です。
それを知らずに来店されるお客様がおられ、仕方なくお断りするしかなかったんです。
しかし、せっかく来られたのに食べられないのは申し訳なくって……。
そこで野菜の味を生かせ、予約なしでも提供でき、調理がしやすいものは何かないかなと考えました。
その結果、思いついたのがスープカレーだったんです。
スープカレーの中に入る野菜はお野菜弁当と同じく、地元の野菜。
日々状況によって入る野菜も変わりますし、季節によっても変わります。
そういった変化も楽しんでもらえたらと思いますね。
ちょうど向かいにカレー店の旧水曜カレーさんがあるので、スパイスについての相談もしました。
また旧水曜カレーはスパイスカレーでこちらはスープカレーなので、差別化もできていいなと。
私の店のスープカレーは、あくまでも野菜が前提。
野菜をおいしく食べてもらうためのカレーなんです。
今後の展望
──今後の展望ややってみたいことがあれば、知りたい。
上中谷──
もっとたくさんの地元の生産者さんとつながっていきたいですね。
店内では青果販売もしています。
お野菜弁当やスープカレーの食材ももちろんですが、青果販売ももっと充実させたいと思います。
生産者さんとのつながりを増やし、店内を野菜でいっぱいにしてみたいですね。
おいしい野菜をタップリと楽しめるかみてつ青果店
ふだん野菜が必要だと思っていても、なかなか野菜をシッカリと食べることは難しいと思います。
かみてつ青果店の野菜弁当は、とにかく品数が豊富で彩りも鮮やかなのが印象的です。
しかも野菜本来の味わいを大事にしているので、いろいろな食材の味を楽しめます。
地元の生産者がこだわった野菜などの食材を堪能できるかみてつ青果店のお野菜弁当。
ぜひ食べてみてください!