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「街中華(町中華)」という言葉を知っていますか。
平成28年(2016年)ごろから注目されだしました。
町中華はいわゆる「大衆中華」や「中華食堂」などと呼ばれる、庶民的な日本流の中華料理店のことです。
倉敷市の西部・玉島地区には、長年にわたり玉島の住民に愛されている街の中華料理店があります。
それが「中国料理 廣珍 (こうちん、以下 廣珍)」です。
スタンダードな中華料理から季節の限定料理、さらには紹興酒までいろいろなメニューがそろっています。
廣珍は気軽に立ち寄れ、おいしい料理でお腹いっぱいになるのです。
そのため、子供から年配まで幅広いお客が訪れます。
そんな玉島の地域に根付いた中華料理店・廣珍の魅力や歴史を紹介しましょう。
廣珍は昭和34年の創業以来、玉島で愛されている”街の大衆中華”
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廣珍は、倉敷市玉島地区中心部・清心町(せいしんちょう)商店街にある中華料理店です。
昭和34年(1959年)に創業した老舗で、地元・玉島で長年にわたり愛されています。
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廣珍の外観は赤と黄を基調とし、中華料理店らしい店構えです。
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廣珍は清心町の店のほかにも、倉敷市内にグループ店があります。
- ヒロマル (中華惣菜)
- あずまや 玉島店 (和食)
グループ店もぜひ利用してみてください。
廣珍グループで使えるポイントカードもあります。
廣珍の人気メニュー
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令和2年(2020年)11月時点の情報。記事内の価格は消費税込
廣珍のメニューは麺類から単品料理、点心、セット、デザートまで幅広いラインナップです。
アルコール類や宴会メニューもあります。
さらに季節ごとに変わる季節メニューなども魅力です。
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ランチに付くごはんは、おかわり自由!
なおランチに付くスープは、110円増でハーフラーメンに変更できます。
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なお、平日の午前11時から午後2時までがランチタイムです。
メニューの詳細については、廣珍の公式サイトを参考にしてください。
たくさんそろう廣珍のメニューですが、その中からとくに人気の高いメニューを紹介します。
「大麺」は創業時から一番人気の廣珍名物!
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廣珍の看板メニューで一番人気なのが「大麺 (おおめん)」(825円)です。
取材時は、大盛を食べました。
大盛は220円増です。
大麺は、いわゆる「五目タンメン (湯麺)」。
タンメンは関東などでよく食べられている麺類です。
野菜を中心としたタップリの具材が載り、スープは塩風味のアッサリ味が特徴。
とても食べごたえのある一品です。
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具材は、太モヤシ・ハクサイ・コマツナ・ニンジン・キャベツ・キクラゲ・アオネギ・イカ・エビ・豚肉。
中央には、半玉のゆで玉子が載っています。
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スープの味わいは、スッキリとした塩風味です。
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炒め野菜は、シンナリ感とシャキシャキ感がよい塩梅で混在していました。
また、炒めた野菜の甘みと香ばしさと油感が、スープととてもよく合います。
そこへ、イカやエビのプリプリ感がアクセントに。
豚肉は甘みと香ばしさがあり、おいしいです。
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アッサリとしたスープでありながら、炒め野菜のコッテリ感とボリューム、麺の食べごたえも加わってとてもボリュームのある一杯でした。
それでいて、具材が野菜メインなので食べやすくてヘルシーです。
「麻婆豆腐」は”麻”と”辣”にこだわる
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「麻婆豆腐 (マーボードーフ)」(770円)も人気があるメニューです。
単品のほか、ランチメニューとして「麻婆豆腐ランチ」(860円)もあります。
麻婆豆腐は、辛さが1〜3辛まで3段階で選択可能です。
取材時は、麻婆豆腐ランチを注文(辛さは1辛)。
110円増で、スープをハーフラーメンに変更しました。
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麻婆豆腐ランチの内容は、麻婆豆腐にごはん・サラダ・揚げもの(鶏のから揚げ・揚げギョウザ1個ずつ)・ハーフラーメンです。
「麻」はしびれるような辛さのことで、花椒(ホアジャオ)など。
「辣」はトウガラシなどの刺激的な辛さのことです。
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豆腐は木綿豆腐でした。
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豆腐と挽肉とアンをすくい、一口食べるとアンのとろみと甘塩っぱさ、挽肉のうまみと甘みが感じられます。
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そのあと、木綿豆腐なのにまるで絹豆腐のようになめらかで柔らかな食感、やさしいほのかな甘みが来ました。
そして、アン・挽肉に豆腐がミックスされていい塩梅の味わいになったのです。
そう思った直後、舌にヒリヒリとした刺激とともにピリ辛さが口の中に広がりました。
また、花椒の風味もよく効いています。
中央のトウガラシをよけ、全体をよく混ぜこんで食べてみました。
すると、さらに辛さや刺激、花椒の風味が一気にやってきます。
急いでごはんをかきこみ、あっという間におかわり。
麻婆豆腐ランチを食べ終わるまでに、2回もごはんをおかわりしてしまいました。
ちなみに、”麻”と”辣”を加える追加用スパイスも付いてきます。
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辛さや刺激が足りないというときに、使ってみてください。
その他のおすすめメニュー
令和2年(2020年)11月時点の情報。記事内の価格は消費税込
おすすめのほかにも、廣珍の人気メニューはたくさん。
つい目移りしてしまいます。
そこで、人気メニューの中からおすすめを紹介しましょう。
「酢豚」は安定の人気メニュー
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「酢豚」(770円)は、安定した人気のあるメニューです。
「酢豚ランチ」(860円)もあります。
廣珍は創業時に広東料理の店としてオープンしました。酢豚は広東料理に由来する料理です。
また、見た目の彩りの良さも酢豚の魅力ではないでしょうか。
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サクサクの豚肉に、とろみのある甘酸っぱいタレが絡んできます。
さらに衣の中の肉は脂身と赤身のバランス良く、肉は噛むたびに肉の味がしっかり味わえ、脂身は柔らか食感で甘みが広がりました。
アンはやや強めのとろみです。
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タマネギはしなやかながらシャキシャキ感もあり、やさしい甘さです。
ニンジンもほどよい食感で、甘みがあります。
タケノコはコリコリとした食感で、タケノコ特有の風味が感じられました。
ピーマンはシャキシャキしていて、みずみずしさがあります。
私は取材まで、酢豚を家庭か給食でしか食べたことがなかったのです。
初めて飲食店で酢豚を食べ、「こんなに酢豚はおいしい料理だったのか」と驚きました。
「海老チリソース」はエビのプリッとした食感が楽しめる
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「海老のチリソース」(1,056円)は、中華料理店での定番の人気料理ではないでしょうか。
いわゆる「エビチリ」ですね。
エビはプリップリとした弾力ある歯ごたえで甘く、そこに強めのとろみのアンが絡み付きます。
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アンは甘めでありながら、ほどよい酸味も。
そして、あとからピリッとした辛さが追ってきました。
そこへネギのシャキシャキ感がアクセントになっています。
「小籠包」は染み出す肉汁が魅力
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「小籠包 (ショウロンポウ)」(363円)は、人気の点心(てんしん)です。
蒸篭(せいろ)で出され、3個入っています。
蒸篭のフタを開けると熱い湯気が立ちこめ、おいしそうな小籠包がお目見えです。
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食べると、肉のうまみと甘みが感じられ、ジューシーな味わいです。
そして皮のプニプニとした食感が加わってきます。
「甕汲み生紹興酒」はまろやかで飲みやすい味わい
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廣珍はアルコールメニューもありますが、おすすめは紹興酒(しょうこうしゅ)。
廣珍の紹興酒は「甕汲み生紹興酒 (かめくみ なま しょうこうしゅ)」です。
甕汲み生紹興酒は、デカンタ(300ミリリットル)は759円、グラス(90ミリリットル)が253円。
甕汲み生紹興酒にレモンやショウガを入れることも可能です。
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甕汲み生紹興酒は加熱処理をしていないので、口あたりがなめらか。
そのため、紹興酒初心者にもおすすめです。
「ドラゴンハイボール」は紹興酒をソーダで割ったスッキリ味
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「ドラゴンハイボール」(385円)も、廣珍のおすすめドリンクです。
ドラゴンハイボールは、紹興酒をソーダで割ったもの。
レモンも添えられています。
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なお通常350ミリリットルのドラゴンハイボールが、700ミリリットルまで増量した「メガ ドラゴンハイボール」(638円)もあります。
スタンダードな中華料理を中心に、おいしそうな料理がたくさん楽しめる廣珍。
廣珍を運営する株式会社 廣珍の代表取締役・堀 広司 (ほり ひろし)さんへインタビューをしました。
インタビューを読む
株式会社 廣珍の代表取締役・堀広司さんにインタビュー
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スタンダードな中華料理を中心に、おいしそうな料理がたくさん楽しめる廣珍。
廣珍を運営する株式会社 廣珍の代表取締役・堀 広司 (ほり ひろし)さんへインタビュー。
創業の経緯や店のこだわり、今後の展望などについて話を聞きました。
先代が岡山初の中華料理店から独立し開業
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──開業の経緯を知りたい。
堀 (敬称略)──
創業者は、私の父です。
私で二代目になります。
創業は、昭和34年(1959年)11月です。
戦後の食糧難の時代を経験した父は、お腹いっぱい食べられることへの憧れがありました。
そして父の父、つまり私の祖父のすすめで、岡山市・千日前商店街の岡山で最初の中国料理店だった「廣珍軒」という店で働き、修業をしたんです。
そして廣珍軒から独立し、父の地元・玉島の現在の場所で「広東料理 廣珍」として創業しました。
店名は修業先の店からいただいています。
当時、ちょうど清心町商店街ができたころで、商店街の中にある飲食店としてにぎわいました。
時代に合わせてやりかたも変化
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──どんなお客さんが多い?
堀──
基本的に地元・玉島のかたがほとんどです。
7〜8割くらいは地元のかた。
平日の昼は、お勤めのかたのお昼ごはんが多いです。
休日はご家族連れが多いですね。
年齢層もお子様から御年配まで幅広いです。
親子三代で来られるお客様もいますよ。
──玉島で長く営業しているが、時代の変化を感じるか。
堀──
もちろん、時代による変化はありますよ。
時代の移り変わりによって売り方や やり方を変えながらやっています。
たとえば、最初は広東料理店として開業していますが、大衆中華の店として幅広く扱うように変わりました。
また自動車社会となったことで、郊外にも中華惣菜の店やラーメン店などを出しています。
あと、玉島には大衆的な和食店がありませんでしたので、和食版のファミリーレストラン(ファミレス)のような店として「あずまや 玉島店」も出しました。
タンメンの専門店も出していますが、これは廣珍の一番人気の大麺を発展させたものです。
地元・玉島の”食財”を積極的に使用
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──店を運営するうえで、工夫したりこだわったりしていることは?
堀──
レギュラーメニューの味などのマイナーチェンジは、しょっちゅうおこなっていますね。
あとは、新メニューや季節メニューなどは、スタッフみんなで意見を出し合っています。
調理担当だけではなく、ホール担当を含めたみんなでやっていますよ。
新メニューの提案、改善策などの提案もみんなでしています。
あとは最終的に、実際に店で出してみないとわからないんですよね。
これはいけるだろうと思ったものがお客様の受けはよくなくて、逆に意外なものがお客様に好評なこともあるんですよ。
──ほかには?
堀──
あとは食材ですね。
玉島のものを中心に地元産のものを積極的に使っています。
当店は、地元の食材を”食財”としているんですよ。
たとえば卵は玉島の鶏卵会社・のだ初のもので、ソースは豊島屋。
ラーメンやチャーシューの醤油ダレは、玉島味噌醤油という会社のものです。
ネギは市内にあるど根性ファームという会社が笠岡の農場で育てたものを使っています。
お米は、玉島にある小野ライスが育てた「にこまる」という品種です。
100周年を目指し、お客様に愛され感動される店を
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──最後に、今後の抱負ややってみたいことを教えてほしい。
堀──
創業を100年を目指していきます。
ただ100年を目指すだけでなく、当店の経営理念を大事にしながらです。
食事をしておいしいと思ってもらうのはもちろん、店に来て感動をしてもらえる店を目指すことを理念としています。
そのために、料理・接客・店の環境面など、あらゆる点でお客様に感動をしてもらえるようにがんばっています。
現在(取材時=令和2年)で61年なので、経営理念を大切にしながらあと約40年続けていきたいです。
あとは玉島以外にも目を向け、需要がある地域には店を出していくことも、これからは必要だと感じていますね。
玉島で愛されている老舗中華料理店、廣珍
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廣珍はランチタイムなどは、お店の外で待つお客さんが出るほどの人気店。
年齢層も幅広くて、お勤めのかたからファミリー層までたくさん来店していました。
廣珍は、玉島ならではの中華版ファミリーレストランのよう。
また地元食材へのこだわりも注目ポイントです。
長年にわたり玉島で愛される老舗・廣珍。
廣珍は子供から年配のかたまで、おいしい中華料理を食べて笑顔になれる店です。