家庭科技術検定で「四冠王」 島原商高、卒業の8人 学校別合格者数で全国1位

「四冠王」を達成した家政科の卒業生8人=島原商業高(同校提供)

 長崎県島原市城内1丁目の県立島原商業高(平山政一校長、310人)家政科を今春卒業した8人が、本年度の全国高等学校家庭科技術検定の和服、洋服、食物調理、保育から成る4種目全てで1級に合格し、「四冠王」を達成した。同校などによると、四冠王に輝いたのは全国で58人。学校別合格者数としては、同校が全国1位の快挙という。
 全国高等学校家庭科教育振興会が実施する同検定は、被服製作(和服・洋服)と食物調理の3種目が1960年に始まった。その後加わった保育技術検定(93年発足)には、音楽・リズム表現、造形表現、言語表現、家庭看護の四つの技術分野がある。
 4種目とも1~4級に分かれ、実技や筆記試験を実施。4級から順次昇級していく。家庭科技術検定の3種目全ての1級合格者を「三冠王」、これに保育技術検定の1級が加わると「四冠王」として表彰される。
 本年度の家政科卒業生のうち「保育・ファッションコース」選択の19人中、12人が三冠王を取得。そのうちの8人が四冠王を達成した。同校は2017年度にも8人が四冠王となり全国首位の実績を誇る。18、19両年度も四冠王を同数程度輩出し全国2位となっている。
 8人は1年時から年2回開催される検定に挑み、それぞれの種目の4級から順に合格を積み重ねた。新型コロナ禍での臨時休校の影響などもあり受験準備が難しい中、例年以上に自主学習や課題、補習に取り組み難関を突破した。
 四冠王に輝いた1人、本多好(このみ)さん(18)は「四冠を取得するのはとても大変だったが、結果が実ってうれしい。保育系の短大に進学するので役に立つと思う」とコメントした。

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