「悪口? 書いてあるよ」 巨人・阿部二軍監督 “マル秘ノート” の気になる中身と用途

巨人・阿部二軍監督

〝アベノ「秘」ノート〟につづられた知られざる中身とは――。巨人・阿部慎之助二軍監督(42)が指導者として2年目のスタートを切った。すでにイースタン・リーグも開幕し、ドラフト5位ルーキー秋広優人内野手(19)らの育成に期待が高まっている。そんな鬼軍曹の〝相棒〟が試合中のベンチなどで手にしている手帳だ。いったい、どんなことが書かれているのかというと…。

一軍が開幕カードを2勝1分けで滑りだしたのに先駆け、イースタン・リーグは20日に開幕し、阿部二軍監督の指導者人生も2年目に本格突入した。

若手全体の底上げはもちろんだが、中でも気になるのは開幕目前で一軍からふるい落とされた2メートルの長身を誇る高卒ルーキーの行く末だろう。阿部二軍監督は秋広について「ポテンシャルも高いですし、将来すごく楽しみな選手です。4番として二軍ではずっと使っていこうかな」と語っており、その手腕が注目されている。

昨季は松原らを戦力として次々と一軍に送り込み、リーグ2連覇に大きく貢献。そうした指導の支えの一端を担っていたのが、阿部二軍監督が携帯している手帳だ。試合中のベンチなどで開いてはペンを走らせていた。その内容も気になるところだ。阿部二軍監督によれば「ほとんどは戦略的なこと。こういう時はこうした方が良かったなとか、こうしたらこうなったとか。そういうのはちゃんと書いている」。当然、成功もあれば失敗もある。そうした就任1年目で得た実体験が血肉となり、今後の財産となっていくのだろう。

阿部二軍監督は「だいたい忘れちゃうからね。手帳を見返した時にこういう試合があったな、こんなことを思って書いていたんだなとか、何かいいものになれば」と控えめながら、今年もさまざまな出来事をメモに残していく姿勢に変わりはない。

ただ、それだけでは終わらないのが鬼軍曹たるゆえんだ。阿部二軍監督の手帳を巡っては、昨季もファーム内で「何が書いてあるんだろう。中には絶対ヤバいのもありそう」と恐れられていた。本人に「悪口は書いてないか?」とズバリと聞くと返ってきた答えは…。

「書いてあるよ。『何でこんなヤツと同じユニホームを着ているんだ』とか本当に書いたことある。カッチーンときて」。現役時代は想像を絶する重圧の中で第一線で走り続けてきたからこそ、とんでもないプレーを目の当たりにして理解に苦しむことは少なくない。瞬間的に感情的になることもあるが、真っ先にペンを走らせるのは自らの感情をコントロールする狙いがあるからだ。

「それで収めるんですよ。自分の気持ちを」。このアンガーマネジメントは、実は恩師でもある原監督も実践している手法でもある。常勝軍団をつくるためには、底上げが不可欠。くしくも、イースタン・リーグ開幕日の20日に42歳となり「ふた回りくらい下の子たちをどう扱うかというのがこれからのテーマ」と語っていた阿部二軍監督は、どんな名指導者となっていくのか。

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