加藤伸一氏「開幕3連勝のソフトバンクは投打に死角なし!」

攻守の要・今宮の状態がいいのも大きい

【インハイ アウトロー・加藤伸一】リーグ連覇を目指すソフトバンクは最高の形での滑り出しとなった。開幕カードの相手は昨季、一昨季と2年連続で負け越してるロッテ。2戦目、3戦目は劇的なサヨナラ勝ちだったが、投打に地力の差を感じさせる戦いぶりとなった。

順位予想で優勝にはしているものの、仕事柄、思わぬ隙や穴がないか探しながら見ていた。正直この3連戦を見る限りでは投打に死角は見当たらなかった。裏ローテの3人は現時点で未知数ながら、ここに千賀や東浜が加わってくる。救援陣もモイネロが加わる。

打線もロッテ投手陣が苦しそうに投げる展開。私も投げている投手の立場で試合を見るが、この打線に投げるストレスは相当だと感じた。デスパイネ、グラシアル、中村晃が開幕時に不在だった昨季とは異なり、充実したベストの布陣を組めている。1年前の開幕では控えだった快足の周東が1番に座る。

ここ数年は故障に泣いた攻守の要・今宮の状態がいいのも大きい。代打で登場した川島、長谷川、明石も含めて厄介な打者が揃う。私は小久保ヘッドやロッテ・井口監督、松中、城島、秋山さんらが並んだダイエー(当時)打線と対戦しているが、投手として嫌なのは今のソフトバンク打線だろう。

言うまでもなく当時のダイエーは、長打力のある選手ばかりのとんでもない打線だった。ただ、こういった打線は怖さはあるが穴がないわけではない。一方で現在の打線はそれぞれにつなぐ意識があり神経を使う。状況に応じて両外国人でさえ逆方向への打撃や軽打もしてくる。打順に応じたバランスも良く、隙を見せると一気につながってくる。ロッテ投手陣の目線で見ると精神的にヘトヘトになりそうにも感じた。

もっとも、シーズンは始まったばかり。今回の開幕カードではソフトバンクのいいところばかりが見えたが、すんなりとこのまま行くほど簡単なものではない。各球団との対戦をひと回り見てみなければ分からないことも多い。早くも王者が好スタートを切った中でパ・リーグの白熱した戦いに期待したい。

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