2018年最優秀中継ぎ右腕は四国IL香川に投手兼任コーチで入団
昨年オフにヤクルトから戦力外通告を受けた近藤一樹投手が、今季から四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズへ活躍の場を移し、選手兼任コーチとして一歩を踏み出した。日大三高から2001年ドラフト7位指名されて今季がプロ20年目。近鉄出身唯一人の現役プロ野球投手がNPB復帰に挑戦する。【喜岡桜】
新天地での近藤一の公式戦初登板は、愛媛マンダリンパイレーツと激突した3月27日のリーグ開幕戦。8回にマウンドに上がって1イニングを2安打1奪三振1失点。自己最速は143キロだった。
「公式戦の緊張感がありました。失点したが勝利を繋ぐためのモチベーションはしっかり上げられたので、今後状態は上がってくると思う。今日も悪くはなかったので、そういう日もあるなって感じです」
チームとしては昨年中継ぎとして活躍した近藤壱樹投手が先発。立ち上がりから5者連続三振を奪うなど、6回を投げて5安打10奪三振で1失点。救援陣で失点が重なったものの6-4で開幕戦を白星で飾った。
近鉄出身のNPB選手はヤクルト坂口のみに
香川には今季、20人の投手が在籍している。近藤一は投手の仕事に加えてコーチとして試合中にブルペンとベンチのやり取りをする必要がある。試合では「兼任」の難しさを感じたという。それでも「苦労は全然ない。うまい具合に調整や強化ができて開幕を迎えられた」と話した。
今季の個人的な目標は「チームの足を引っ張らないこと。選手とコーチみんなで近藤智勝監督を胴上げしたい。そのために少しでも役に立てる仕事ができればと思っている」。そして、その先にNPBへの復帰を見据える。
900人を超えるNPB選手(育成含む)の中で、近鉄でのプレー経験があるのはヤクルトの坂口智隆外野手のみ。岩隈久志投手が昨季限りで引退し、現役投手は近藤一だけになった。ヤクルト在籍時の2018年には35ホールドをマークして最優秀中継ぎのタイトルを手にした37歳。近鉄の『血』を受け継ぐ近藤のNPB復帰は、猛牛ファンにとっても待ち遠しいだろう。(喜岡桜 / Sakura Kioka)