MLB公式サイトの専門家100人が今季の地区優勝・WS王者を予想

メジャーリーグの2021年シーズンの開幕が3日後(日本時間4月2日)に迫っている。メジャーリーグ公式サイトではライターやアナリストなど総勢100人の専門家が全6地区の優勝チーム、ワイルドカード獲得チーム、各リーグの優勝チーム、そしてワールドシリーズを制して今季の王者に輝くチームを徹底予想。ここではその投票結果をお届けする。

ア・リーグ東部地区:ヤンキース

昨季はレイズがヤンキースとの直接対決10試合に8勝2敗と大きく勝ち越し、7ゲーム差をつけて地区優勝したが、今季は100人中83人がヤンキースの地区優勝を予想。ゲリット・コールに続く先発2~3番手としてコリー・クルーバーとジェイムソン・タイオンが1年間健康にプレーできるのか? アーロン・ジャッジとジャンカルロ・スタントンの両大砲は今季こそ健康にシーズンを過ごせるのか? といった疑問点はあるものの、DJ・レメイヒューの引き留めに成功したヤンキースに対する評価は極めて高い。

ア・リーグ中部地区:ホワイトソックス

ツインズが2連覇中のこの地区では、ホワイトソックスが100人中71人から票を集めた。チーム再建を終え、昨季はMVPに輝いたホゼ・アブレイユの大活躍もあって12年ぶりのポストシーズン進出を達成。若き長距離砲エロイ・ヒメネスの長期離脱という誤算は生じたものの、ランス・リン、リアム・ヘンドリックス、アダム・イートンを獲得して戦力は充実しており、2008年以来13年ぶりとなる地区優勝を予想する声が非常に多い。

ア・リーグ西部地区:アストロズ

本命不在で全6地区中、最大の接戦となり、アストロズが46票、アスレチックスが33票を獲得。シーズン負け越し(29勝31敗)ながらもリーグ優勝まであと一歩に迫ったアストロズを支持する声が最も多かった。昨季はコールの退団、ジャスティン・バーランダーとヨルダン・アルバレスの故障という逆風のなかでポストシーズン進出を達成。今季はジョージ・スプリンガーが退団したが、アルバレスの復活とホゼ・アルトゥーベら主力選手の復調に期待がかかる。

ア・リーグワイルドカード:レイズ、ブルージェイズ

昨季のリーグ王者であるレイズは「地区優勝は難しいがワイルドカードは獲得できる」という評価になっているようだ。また、スプリンガーとマーカス・セミエンを獲得して打線のグレードアップに成功したブルージェイズもワイルドカード獲得を予想する声が多かった。東部地区から3チームがポストシーズンへ進出することになり、ヤンキースが圧倒的支持を集めた地区優勝争いもハイレベルなものとなりそうだ。

ア・リーグ優勝:ヤンキース

ヤンキースが最多の54票を獲得。ホワイトソックスが28票で次点となった。松井秀喜の活躍で世界一となった2009年を最後にワールドシリーズの舞台から遠ざかっているヤンキースだが、今季は12年ぶりに大舞台へ返り咲くチャンスとなる。クルーバー、タイオン、ジャッジ、スタントンといった投打の主力選手を中心に、いかに故障者を出さないかがリーグ優勝に向けたポイントとなる。

ナ・リーグ東部地区:ブレーブス

フランシスコ・リンドーアを筆頭に積極的な補強を展開したメッツが注目を集める地区だが、メッツの33票に対して、地区3連覇中のブレーブスが64票を獲得した。昨季MVPのフレディ・フリーマン、二冠王マーセル・オズーナ、若きスターのロナルド・アクーニャJr.らが並ぶ打線は非常に強力で、弱点となっていた先発ローテーションにはチャーリー・モートンとドリュー・スマイリーを補強。アキレス腱断裂で長期離脱中のマイク・ソローカも4月中には復帰できる見込みだ。

ナ・リーグ中部地区:カージナルス

媒体によって優勝予想チームが異なるこの地区だが、100人中66人がカージナルスを支持。ブリュワーズ(25票)、カブス(6票)、レッズ(3票)の3球団に大差をつけた(当然ながらパイレーツは0票)。得点力不足が課題の打線にノーラン・アレナードが加わったことが最大の理由。カブスがダルビッシュ有(パドレス)、レッズがトレバー・バウアー(ドジャース)というエースを失ったこともカージナルスにとって追い風となるだろう。

ナ・リーグ西部地区:ドジャース

ドジャース対パドレスの「2強対決」が注目されているが、100人中82人がドジャースの地区優勝を予想。大型補強を展開したパドレスは100人中18人の支持にとどまった。ドジャース投手陣はトニー・ゴンソリンとデービッド・プライス(昨季の出場辞退から復帰)が開幕ローテーションから漏れるほどの豪華布陣。選手層の厚さも含め、地区8連覇中のドジャースが有利という予想になっている。

ナ・リーグワイルドカード:パドレス、メッツ

オフシーズンの移籍市場を盛り上げた2チームがワイルドカードを獲得するとの予想になった。パドレスはマニー・マチャドとフェルナンド・タティスJr.の豪華三遊間、ダルビッシュを筆頭にエース級が揃う先発ローテーションなど、充実の戦力を誇る。「ドジャースに次ぐ球界2位の戦力」との評価もあり、ワイルドカード最有力候補との評価は当然と言える。とはいえ、一発勝負のワイルドカード・ゲームでジェイコブ・デグロムと対戦することになれば、地区シリーズ進出は容易ではない。

ナ・リーグ優勝:ドジャース

前評判通り、1位ドジャース、2位パドレスという結果になった。しかし、西部地区の優勝予想ほどではないものの、38票もの大差がついており、ドジャースが圧倒的な支持を集めていることに変わりはない。混戦が予想される東部地区と中部地区の優勝争いにも注目したいところだが、やはり今季は西部地区のドジャース対パドレスという「2強」の対決が最大の注目を集めることになりそうだ。

ワールドシリーズ王者:ドジャース

ヤンキース対ドジャースの組み合わせは過去に11度あり、ドジャースはロサンゼルス移転前のブルックリン時代に7度中6度敗退している。ロサンゼルス移転後の4度の直接対決では2度ずつ世界一になっているが、直接対決は1981年が最後。予想通りに40年ぶりの直接対決が実現するか注目したい。そして、ワールドシリーズ王者の予想で最も多くの支持を集めたのはドジャース。ワールドシリーズ2連覇となれば、1998~2000年のヤンキース(3連覇)以来の快挙となる。

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