「友人と不動産を共同購入して住みたい」35歳独身女性の計画は現実的?

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読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は35歳、会社員の女性。友人たちと一緒に不動産を購入して一緒に住みたいと考えている相談者。賃貸よりも購入に憧れがあるといいますが、現実的にどんな問題があるのでしょうか? FPの飯田道子氏がお答えします。

友達と不動産を共同購入したいと考えています。

まだ世間話として話しているレベルですが、10年内くらいに不動産を共同購入し、リフォームなどもして、長く一緒に住めたら良いね、と話しています。お互い仕事はずっと続ける前提です。結婚するかも、の仮定は置かなくても良いです。話しているのは2人ですが、他のメンバーを含めて3〜4人くらいで住むことも考えたいです。

賃貸にすればいいのですが、「居場所が欲しい」という考えで、お互い購入に憧れがあります。誰か1人が購入するという形でも良いですが、そうすると負債が1人に寄るので望ましくないです。何かうまい形で共同購入できるような手はありますか。

【相談者プロフィール】

・女性、35歳、会社員、独身

・住居の形態:賃貸


飯田:今回は、お友達と不動産を共同購入したいと考えている女性からの相談です。具体的には動いてはいないようですが、10年以内を目安に不動産を共同で購入、リフォームを施し、お友達と長く一緒に住みたいと考えているようです。お互い仕事は続ける予定で、結婚するかどうかの仮定は不要とのこと。1人の名義で購入すると負債を負うのも1人になってしまうため、共同購入できるような方法があるか知りたいとのことです。相談者様が望むような良い方法があるのか? また、このような形で購入する場合のリスクについて考えてみたいと思います。

不動産を共同購入した場合のメリットとデメリットについて

お友達といろいろと話し合って、夢を描いていることだと思います。すでにご存知かもしれませんが、不動産を共同で購入した場合のメリットとデメリットについて知っておいて欲しいと思います。

●メリットについて
最大のメリットと言えるのが、それぞれが住宅ローンを利用して購入すると、それぞれに対して「住宅ローン控除」が受けられるということです。売却のときには、それぞれが譲渡所得の控除が受けられることになります。もちろん、保有しているときに支払わなければならない固定資産税も持ち分によって減りますので、各々の負担を減らすことができます。

●デメリットについて
最大のデメリットと言えるのが、持ち主の全員の承諾がなければ、売却することができないということです。持ち主の万一のことがあった場合、相続人が新たに持ち分を共有することになります。以前と同様に新たな持ち主が一緒に暮すということは考えられませんので、持ち分を現金で払って欲しいと要求されるかもしれませんし、売却したいと申し出があることも考えられ、親族間の共有以上に、話が複雑になってしまうことが考えられます。また、住宅ローンの借入時の諸費用や登記費用もそれぞれが準備しなくてはなりませんので、コスト高になってしまいます。

以上のメリットとデメリットを踏まえると、共同で購入する方法はメリットよりもデメリットの方が強く出てしまうことがご理解頂けると思います。

夢を実現できるか、アイディアを出していく

一戸建てを購入した場合、リノベーションなどの自由度はアップする反面、万一のリスクが大きくなってしまいます。できるだけリスクを抑えるためには、どのような方法が良いのでしょうか?

それぞれマンションを購入する

相談者様は、お友達と長く一緒に暮したいと考えているとのこと。共同購入という形ではありませんが、それぞれに同じ建物のなかの物件を購入し、お互いの存在を近くに感じながら暮らすという方法もあるかもしれません。

こちらの変形としては、隣の住戸と壁がつながっている戸建てである「テラスハウス」や「タウンハウス」などを購入するという方法もあるかもしれません。物件によりますが、その物件が2棟のみであれば、庭などの共有スペースの柵を取り払って、一戸建て感覚で利用することができます。

また、それぞれが単独で所有することになりますので、万一のことがあったときにでも、自分の住まいに与える影響を抑えることができます。

親族から譲り受ける財産の有無を確認する

もし、両親や祖父母から譲り受ける財産がある場合には、その物件にお友達と暮らし、将来、単独で所有するという方法も考えられます。土地のみであるなら、家を単独で建てさせてもらうというのもアリです。

このような形であれば、一から購入する訳ではありませんので、コストを抑えることができますし、リスクを抑えられます。自立することも大切ですが、相続するべき財産があるのなら、考えても良いでしょう。

低リスクをとるなら賃貸で暮らす

共同購入のリスクを抑えるための最も有効な手段としては賃貸しかありません。結婚については考えなくても良いとのことですが、結婚に関わらず、ライフスタイルの変化に対応しやすいのは、断然、賃貸です。

これ以外にも、遺言書を書いて、共有名義の相手に負担が少なくなるようにしておくということも考えられますね。

優先順位を考えて決めていく

お友達と長く暮らしていきたいということが目的だと思いますが、購入するにしろ賃貸にするにしろ、暮らし方に対する優先順位を決めておくことが必要です。

優先順位を話し合っていくときには、考えられるリスクを踏まえながら、どのような物件が良いのかを考えてみてください。自ずと自分たちにふさわしい物件が分かってくると思います。10年以内が目途とのことですので、じっくりと考えてみてくださいね。