卓袱料理づくりに中学生が挑戦 料亭花月でワークショップ

中島さん(右から2人目)のアドバイスを受け、ハトシを作る中学生=長崎市、史跡料亭花月

 長崎市丸山町の史跡料亭花月で25日、市内の中学生11人が、店で提供している長崎の郷土料理の卓袱(しっぽく)料理や花月の歴史を学び、ハトシと茶わん蒸しづくりに挑戦した。
 花月は昨夏、新型コロナウイルス禍の影響で子ども向けのイベントが減っていることを受け、小学生が歴史などを学ぶワークショップを初開催。今回は春休みに合わせた第2弾で「長崎の食文化に触れ、和食料理人の仕事などにも興味を持ってほしい」と開いた。
 女将(おかみ)の中村由紀子さん(63)が、1642年に創業した店の歴史や役割を紹介。副料理長の中島諒太郎さん(37)が卓袱料理について説明し、茶わん蒸しとハトシの作り方のこつを実演しながら教えた。
 中学生は食材を切り、パンにハトシの具材を挟むまでを体験。最後に料理人が仕上げた料理を味わった。梅香崎中3年の川本愛華さん(15)は「ハトシはサクサクでおいしかった。長崎に生まれたからには卓袱のことを大人になっても伝えていけたら」と笑顔を見せた。中村さんは「歴史や文化を知ってもらうことが大事。今後も続けたい」と話した。

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