楽天・岸に「先発4番手」の特大恩恵 まだ1勝だけど…最多勝も射程?

得意のロッテ戦で完封勝利をおさめた楽天・岸

昨季最多勝投手のように勝ちまくるか。30日のロッテ戦(ZOZOマリン)で今季初勝利を8安打無四球の完封劇で飾った楽天・岸孝之投手(36)に早くも今季白星量産の予感だ。

岸にとってロッテは昨季3戦3勝で、2019年8月20日に黒星を喫して以降負けなしと相性のいい相手。好投は必然だったかもしれないが、今季のベテラン右腕にはそれ以上に追い風が吹くと言われている。それが「チーム先発4番手」という絶妙な立ち位置だ。

各チームの先発ローテーションは実力上位の3人が〝表ローテ〟として週末に登板するのが一般的。主に火曜日から木曜日に登板するいわゆる〝裏ローテ〟は一線級投手が比較的少なく、各チームのエース級との投げ合いを回避できる公算が高い。

実際昨季、チームの同僚・涌井は主に水曜日に登板。裏ローテの一人として相手好投手との対戦を避ける形で開幕8連勝を成し遂げ、これが最多勝につながった。岸も故障さえなければ当分は昨季の涌井が受けた恩恵を受けることになる。

「(107球で完封と)ここまでうまくいくことはそんなにない。ただ、ゲームを壊さずにいい形で後ろのピッチャーに繋げていけるか、というところだと思う。今後も点を取られても粘り強くやってやっていきたい」と試合後に清々しい表情で語った岸。田中将やルーキー早川の加入で得た「先発4番手」をうまく活用できるか。注目が集まっている。

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