ランチ囲み憲法学ぶ 料理研究家の枝元さんら戸塚で学習会

 料理研究家の枝元なほみさんと食を通して憲法を学ぶ「憲法カフェ」が23日、横浜市戸塚区で開かれた。子育て中の母親らが企画した学習会には約50人が参加。ランチを囲みながら、暮らしや政治の選択について語り合った。

 横浜出身の枝元さんは地元の市立中田中学、県立平沼高校を卒業。テレビや雑誌で活躍する料理研究家は「スーパーでどの食材を買うのかも、選挙でだれに投票をするのかも、同じ重みを持った選択だと思う」と話す。

 「生き方が変わった」と振り返るのは、2011年の東京電力福島第1原発事故。高濃度の放射性物質で汚染された肉や魚、育てた野菜を泣きながら廃棄する農家、それでも「ただちに健康には影響がない」と繰り返す政府を目の当たりにした。「命をないがしろにしない社会をつくるため、きちんと考えて選択をしないといけないと思った」。夕飯の食材を選ぶのも、選挙で一票を投じるのも「一人一人がちゃんと生きていくこと、子どもたちに安心した未来を残すことにつながっていくのでは」と語った。

 カフェには、弁護士の太田啓子さんも参加。今夏の参院選で安倍首相が憲法改正を争点にし、参院選で与党が3分の2以上の議席を確保した場合、国民投票が行われる可能性があると解説した。

 約4時間にわたって行われた憲法カフェ。最後に枝元さんは「生活者である私たちが『暮らしたい』と思える世の中をつくっていきたいですよね」とほほ笑んだ。

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