金沢動物園「改善を」 15年度外部監査が市に報告

 横浜市の包括外部監査人は23日、2015年度の監査結果を報告した。公有財産の管理運営などがテーマで、措置が必要と認められる「指摘」が26件、改善を要望する「意見」が68件だった。

 年間入園者数が30万人弱と他2園に比べて落ち込む金沢動物園について、入園者増や支出改善が見込めない場合は「現状を継続する選択肢はないと考えられる」と言及。「コンセプトを抜本的に見直し、他2園との差別化を図り、投資効果が出せる動物園として再生可能か検討が必要」と改善を求めた。

 一方、14年度の入園者が100万人を超えた野毛山動物園については、全国の無料公立動物園に比べて入園者数と経常費用が突出していると説明。「受益者負担の再検討が望ましい」とし、有料化を含む入園料のあり方の検討を求めた。

 市内18カ所にあるスポーツセンターに関して、市体育協会が15カ所の指定管理者となっている現状に触れ「制度の趣旨から、より多くの事業者が応募しやすくなるような施策の検討が必要」と意見を述べた。

 また、面積1ヘクタール以上で事業時期が未定のまま市が30年以上保有している未利用土地が8件あると説明、「全庁的見地から適正な運用が求められる」と述べた。

 同監査人の沖恒弘さんから報告を受けた林文子市長は「貴重なご意見をいただいた。野毛山動物園の(有料化)案は結構出ているが、唯一無料という素晴らしさがある」と説明した。

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