きょうから「総額表示」 税抜き価格と併記も

総額を大きく表記した新しい値札を準備する古賀さん。左奥は3月末まで掲示した値札=長崎市新大工町、「やさい くだもの 花 こが」

 4月から商品やサービスの価格表示を消費税込みの「総額表示」にすることが義務付けられた。長崎県内の店舗もこれまで表示を徐々に切り替えて準備。消費税分がプラスされることで客が「値上がり」と感じることを考慮して税抜き価格も併記する店もあり、小規模店では前日まで対応に追われた。
 消費税を含む総額表示は2004年に義務化。消費増税に伴う特例措置として21年3月末までは税抜き価格だけの表示も認めてきた。4月以降、財務省は「消費者が総額をきちんと認識できる表示」を求めており、総額が目立たない表記や総額未表示の場合は「行政指導を受ける可能性がある」という。
 長崎市内でスーパー5店舗を展開している東美は、これまで税抜き価格だけの表示だったが、総額も併記するよう切り替えた。本店(浜町)の対象商品は5千点超。すでに作業は終了し「今のところ問い合わせや混乱はない」という。
 新大工町商店街の「やさい くだもの 花 こが」は、これまでも税込み、税抜きを併記。今回を機に税込み価格を大きくした値札に作り替えた。店の古賀千恵美さん(50)は「分かりやすくした。消費者は1円の違いにも敏感だから買い控えもあるかも」と警戒する。新丸亀寝具店は、税抜き価格で表示していた値札に、税込み価格を書き込む作業を31日も進めていた。代表の新永耕三さん(54)は「約千商品あり手間がかかる。特例の期限なんて忘れていたから早めに通知してほしかった」と話した。

 


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