私たちは必ず被災する…来る自然災害にどう備えるべきか

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」。3月11日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」では、前横浜市長で元衆議院議員の中田宏さんが、来る自然災害に向け私たちが考えておくべきことについて述べました。

◆被災地には報道では伝わらない真実が…

10年前、中田さんは東日本大震災から5日後、救援物資を届けるため初めて被災地に入ったと言います。そして、その後2週間で3回被災地へと赴き、「行ってみて、報道では伝わっていない、私たちが知らない事実がいくつもあった」と当時を振り返ります。

例えば、3月の東北はまだまだ寒い時期で、宮城県塩釜市の市長から「灯油を持ってきてほしい」と頼まれ、中田さんは必死にかき集めておよそ1,000リットルの灯油を現地に届けました。すると、それは暖房に使うためではなく、火葬場で遺体を焼くためだったと中田さん。震災で亡くなられた方の遺体が数多く並び、早く荼毘に付さないと傷んでしまうものの、火葬するための灯油がない状況だったことを、現地で目の当たりにしたと言います。

中田さんは「災害は自然の力だけど、その後の復旧・復興は人間の力。だから行政は防災や減災のためにいろいろと手を尽くしているが、残念ながらそれには限界がある」と断言。例えば、立派な防波堤を作っていますが、それを乗り越えるような津波があるかもしれません。そのため、「そういったことも私たちは考えておかないといけない」と訴えます。

さらに、「日常の社会でもそうだが、自然災害が起きたときの『自助・共助・公助』はとても大事」と中田さん。「まず自分の命をそれぞれが守り、そして近所の人たちと助け合い、共助が必要になり、その上で初めて行政などの公助が出てくる」と主張します。ただ、行政の公助については、消防や医療などそれぞれが自身の役割は果たせるものの、それ以外に食糧や寝床の確保なども必要であり、そういう意味では「唯一自己完結できるのは自衛隊のみ」と言い、自衛隊があってからの海外支援という、この順序も死傷者を少なくするためには重要と話します。

◆中田宏「私たちは必ず被災する」

では、私たちは自然災害に対し、どうすればいいのか。中田さんは、例えば日常的にハザードマップを確認するなど、「まずは自らの環境を確かめて自覚すること」と言います。さらに、「もっと強い言葉で言うと、被災を観念しよう。自分は必ず被災すると思っていたほうがいい」とも。

海の近くであれば津波、山の麓であれば土砂崩れ、川の近くであれば水害、そして都会ではライフラインの停止、そういったことは自分の身に起こり得ることであり、中田さんは「観念しておかないと準備・心構えができない」と危惧。

さらには「(被災しても)誰かのせいにすることはできないし、誰かのせいにしてもしょうがない。そこを自覚する必要がある。振り返る機会を大事にし、観念しておいたほうがいい。(自然災害は)必ず来るということを改めて考えておきたい」と訴えます。

弁護士の菅原草子さんも「おっしゃる通り」と賛同し、「(自然災害は)必ず来る、しかもいつ来るかわからない。明日、本当に家族が隣にいてくれるのかさえわからない。これをきっかけに考えていただければ」と注意を促します。

最後に、中田さんは「自助・共助・公助をすごく考えさせられる映画」として、西田敏行さんの主演作「遺体 明日への十日間」をおすすめしていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00(※番組終了)
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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