順当? サプライズ? 開幕ロースター入りを果たした注目の11人

2021年シーズンの開幕が日本時間4月2日に迫っている。各球団の開幕ロースターの決定にあたっては、マイナーオプションやサービスタイムの兼ね合いもあり、オープン戦で好成績を残した選手がチーム事情によってマイナー降格を強いられるケースも少なくない。その一方で、オープン戦での活躍を認められ、必要な戦力として開幕ロースターに抜擢される選手もいる。メジャーリーグ公式サイトでは予想外の開幕ロースター入りを果たした11人を紹介している。

アンドリュー・ボーン(ホワイトソックス)
2019年ドラフト1巡目(全体3位)指名で入団したスラッガー候補生。プロ入り後の実戦経験はマイナーの55試合(245打席)だけだが、完成度の高い打撃を評価され、DHのレギュラー候補として開幕ロースター入りを果たした。本職は一塁だが、正左翼手のエロイ・ヒメネスが左胸筋腱断裂で長期離脱となったため、左翼手としての出場も多くなりそうだ。

マット・ハービー(オリオールズ)
かつてのメッツのエースがマイナー契約から先発2番手の座を勝ち取り、開幕ロースター入り。オープン戦では常時90~94マイル、時には95マイルを計測するなど、復活をアピールした。同じくマイナー契約の招待選手という立場だったフェリックス・ヘルナンデスが右肘の違和感でアピールできなかったこともハービーにとっては追い風となった。

ジョン・ノゴウスキー(カージナルス)
昨季メジャーで1試合だけプレーした28歳の新人一塁手がオープン戦の猛アピールで開幕ロースター入りを勝ち取った。オープン戦は22試合に出場して打率.333、2本塁打、12打点、OPS.992をマーク。3三振に対して9四球を選び、出塁率.477という数字が光る。6年間のマイナー生活でも通算の四球数(229)が三振数(218)を上回っている。

カイル・ガーリック(ツインズ)
昨年12月にツインズがエディ・ロサリオ(インディアンス)をノンテンダーFAとした際、左翼のレギュラー候補にはアレックス・キリロフ、ブレント・ルーカーという2人の有望株が挙げられていた。しかし、ガーリックがオープン戦18試合で5本塁打、OPS.987を記録し、開幕ロースター入り。キリロフとルーカーはマイナー降格となった。

ジョナサン・インディア(レッズ)
2018年ドラフト1巡目(全体5位)指名で入団したプロスペクト内野手がオープン戦22試合で打率.313、3本塁打、7打点、OPS1.045の好成績をマーク。レッズは正三塁手のエウヘニオ・スアレスをレギュラー不在の遊撃、正二塁手のマイク・ムスターカスを空いた三塁へ移し、二塁のレギュラーポジションをインディアに与えることを決めた。

パブロ・サンドバル(ブレーブス)
昨季終了後にFAとなり、マイナー契約で残留した人気者の三塁手が開幕ロースター入り。キャンプ開始時点では同じマイナー契約のジェイソン・キプニスのロースター入りが有力視されていたが、サンドバルが40打数16安打(打率.400)、OPS.910の猛打を見せ、3本塁打を放ちながらも打率.237、OPS.744に終わったキプニスを上回った。

ギャレット・ウィットロック(レッドソックス)
昨年12月のルール5ドラフトでヤンキースから加入した右腕。90マイル台中盤の速球とチェンジアップのコンビネーションを武器に、オープン戦は4試合に登板して9イニングを投げ、12奪三振、無四球、防御率1.00、WHIP0.89と安定したピッチングを披露した。マイナーでは先発を務めていたが、澤村拓一らとともにブルペンの一角を担う。

アキル・バドゥー(タイガース)
再建中のタイガースが昨年12月のルール5ドラフトでツインズから獲得した外野手。2019年はマイナーのA+級でプレーしていたが、オープン戦21試合で打率.325、5本塁打、11打点、OPS1.210の大活躍を見せ、開幕ロースター入りが決定した。選球眼の良さに定評があり、オープン戦は50打席で10四球を選び、出塁率.460をマークした。

ローガン・ウェブ(ジャイアンツ)
アレックス・ウッド、アンソニー・ディスクラファーニ、アーロン・サンチェスの加入で先発ローテーションから弾き出されたが、オープン戦5先発で防御率0.53という安定感抜群のピッチングを披露。ウッドが故障で出遅れるため、ケビン・ゴーズマンとジョニー・クエイトに次ぐ先発3番手としてシーズン開幕を迎えることになった。

デービッド・ベッドナー(パイレーツ)
ブレイク・スネルの交換要員の1人としてパドレスから移籍してきた救援右腕。オープン戦は10試合に登板して被安打3、奪三振18、与四球1、失点0というほぼ完璧なピッチングを見せ、開幕ロースター入りを決めた。再建期のパイレーツにおいて、抑えのリチャード・ロドリゲスにつなぐセットアッパーを務める可能性もありそうだ。

テイラー・トラメル(マリナーズ)
ジャレッド・ケレニックとフリオ・ロドリゲスの両プロスペクト外野手が大きな注目を集めるなか、オープン戦の活躍で正左翼手の座をゲットした有望株。オープン戦は19試合に出場して打率.311、3本塁打、9打点、OPS1.037を記録。昨季新人王のカイル・ルイスが出遅れるため、ルイス不在のあいだはセンターを守ると予想されている。

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