「地域政党」とは一体なんだろう?~本当にすぐわかる政治用語~

政治にちょっと関心があるけど、ちゃんと調べるほどには興味ない!

そんなあなたに選挙ドットコム素人代表ひがし(@misuzu_higashi)が政治や選挙にまつわる専門用語を簡単解説するコーナー、第1回は「地域政党」です。

ずばり、地域政党とは何だろう?

「地域政党」とは、政治団体の通称の1つです。公職選挙法における定義はありませんが、特定の地域や自治体を中心に活動し、首長や地方議員などが所属している政治団体を指します。

大阪府内を中心に多数の首長・議員が在籍する「大阪維新の会」や、東京都内で活動する「都民ファーストの会」、名古屋市の「減税日本」や京都市の「京都党」などがあります。

地域政党は「政党」ではない!?

地域政党には「政党」という文言が含まれていますが、法律上の「政党」ではありません。公職選挙法では、「政党」の要件を以下1、 2のいずれかを満たした団体と定めており、この要件を満たさない団体は政党ではなく「政治団体」と位置づけられます。

1国会議員が5人以上在籍している。

2直近の衆議院選挙か参議院選挙で2%以上の得票がある。

例えば、国会議員は2人しかいませんが、直近の参議院選挙で2%以上の得票があったれいわ新選組は「政党」です。地域政党と区別する際には「国政政党」と呼称する場合もあります。

地域政党にどれだけ多数の首長や地方議員が在籍していたとしても、上記の要件を満たしていなければ国政政党とは認められず、政党交付金を受け取ることもできません。

それでも「地域政党」はなぜ存在するのか?

地域政党が、国政政党からは独立した団体として存在するのはなぜでしょうか?

それぞれの地域政党によって狙いはあると思いますが、1つは既存の国政政党の制約を受けずに地域に根ざした活動ができることがあります。また、「政党」と名乗ることで有権者に一定規模のある組織であることをアピールできることや、「地域密着の政治をしてくれるのではないか」「既存の政党と違って、しがらみのない政治をしてくれるのではないか」というイメージを持ってもらいやすいというのが考えられます。

しかし地域政党は国政政党とは異なり、政党助成金などの支援もないことから、活動を継続して党勢を維持拡大していくのが難しいため、いつの間にか党が消滅していたり、開店休業状態になっているケースも散見されます。

現在も一定の規模で活動している地域政党は先述の都民ファーストの会(東京都)、減税日本(名古屋市)、京都党(京都市)、そして大阪維新の会(大阪府)などが挙げられます。その他にも生活者ネットワーク・市民ネットワーク系の団体や「緑の党グリーンズジャパン」という団体に加盟している全国各地の地方議員の方たちなど、数々の地域政党が地方議会で日々活躍しています!

※大阪維新の会は10年以上の歴史を誇る地域政党であると同時に、国政政党である「日本維新の会」の母体という顔も持っているちょっと特殊な地域政党です。大阪維新の会は首長を15人、地方議員を233人輩出していますが、国政に参加しているのは「日本維新の会」の肩書きの政治家で、「大阪維新の会」所属の衆院議員・参院議員は1人もいません。

まとめ:「地域政党」の定義は存在しないが、地域に根ざした政治団体をそう呼ぶことが多い

以上のように、「地域政党」には厳密な定義はありませんが、主に地方議会で活躍する地域に根ざした政治を行う政治団体と捉えてよいでしょう。

第2回はマスコミでよく使われる言葉、「諸派」とは一体何なのか?を解説していきます!

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