水揚げも予約も満杯 ほたるいか海上観光スタート 滑川沖2年ぶり 平均上回る漁獲

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水揚げされたホタルイカが入ったかごに見入る観光客=1日午前5時半、滑川漁港

 富山湾の春の風物詩、ホタルイカ定置網漁を遊覧船から観覧する「ほたるいか海上観光」が1日未明、滑川市沖の富山湾で始まった。昨シーズンは新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となっており、待ちわびた観光客が2年ぶりに神秘の光を堪能した。海上観光の予約率は初日時点で95%に達し、漁獲量も漁解禁から1カ月の速報値で過去10年間の平均を上回るなど好調な出足となっている。

 今シーズンの海上観光はウェーブ滑川の「キラリン」1隻体制で、5月9日までの39日間。コロナ対策として定員を25人に減らし、全ての窓を空けて運航する。同社によると、当初はコロナ禍で予約が伸び悩むことを想定していたが、土日曜を中心に予約が埋まり、3月末でほぼ満員となった。同社の小林昌樹業務本部長(53)は「あらためて海上観光が滑川の看板事業だと実感した」と話す。

 初日の午前3時、首都圏などから参加した22人を乗せ、観光遊覧船「キラリン」は滑川漁港を出発。約2キロ沖合の漁場で漁師が網を勢いよく引くと、ホタルイカが青白く光った。漁師がタモ網ですくって放り上げて見せる場面もあり、マスク姿の参加者は声を出さずに拍手で喜びを表現した。

 港に戻ってから市場見学が行われ、参加者は荷さばき場にずらりと並んだホタルイカのかごを眺めたり、写真を撮ったりして楽しんだ。振る舞われた桜煮に舌鼓を打った。家族3人で昨シーズンも予約していたという神奈川県小田原市の大澤采子さん(7)は「楽しみにしていた。漁師さんは大変そうだったけど、ホタルイカの光がきれいだった」と笑顔を見せた。

 小林本部長は「初日から無事に運航できて良かった。コロナ対策を講じながら、最終日まで頑張りたい」と意気込みを示した。

 ホタルイカ漁も順調に推移している。富山県農林水産公社の速報値によると、3月1日の解禁から31日までの漁獲量は569.5トンで、昨年まで過去10年の同時期平均406トンを上回った。滑川漁港では1日、約10トンが水揚げされた。

 県水産研究所が発表している県内のホタルイカ漁況予報によると、今年の総漁獲量は1786トンと見込まれ、過去10年間の平均1459トンを超えると予測された。同研究所の担当者は「豊漁だった昨年には及ばないが、順調な滑り出しだ」と話した。

ホタルイカ漁を観覧する観光客=1日午前4時50分、滑川市沖の富山湾
幻想的な光を放つホタルイカ=滑川市沖の富山湾