ウオーターサーバー、学校にいる? プラごみゼロの街がペットボトル削減へ新事業、疑問の声も

給水スポットの公共施設にあるウオーターサーバー(京都府亀岡市余部町・ガレリアかめおか)

 「プラスチックごみゼロ」を掲げる京都府亀岡市の2021年度当初予算の環境施策の目玉の一つが、全小中学校にウオーターサーバーを設置する事業費800万円。ペットボトル削減を目指す市は「子どもたちからマイボトル持参を実践してほしい」と期待するが、既に学校では水筒持参が定着しており、事業効果への疑問も残る。

 全国初の「プラ製レジ袋提供禁止条例」を施行した亀岡市が、次の目玉施策として掲げた学校へのウオーターサーバー設置事業。市民にマイボトルを持つ習慣を付けてもらおうと、既に公共施設7カ所に冷温水がくめるウオーターサーバーを設置。学校への配備は新年度の新規事業で、桂川孝裕市長は予算の提案説明で「マイボトルで亀岡のおいしい水を飲むという視点から環境学習にもつなげる」と述べた。

 3月議会の予算審議で市教委は「夏場は2~3本の水筒を持参する子どもたちの負担軽減にもなる」とも強調した。だが、市議からは「子どもたちはペットボトルを持ってきているわけではない」「外向きには目立つ施策だが学校に必要か」と疑問が出た。「大規模校で児童生徒が並べばすぐに冷水がなくなる」との指摘もあった。

 市教委によると、学校に設置するのは容量8リットルで、水道水を冷やす機能がある。学校規模に応じて1~3台入り、サーバーと水道管をつなぐ工事を含め1台当たり20万円かかる。設置後2年は無償だが、計40台分のカートリッジ交換には毎年24万円ほどかかる。

 入札や設置事業者の選定を経て、早ければ6月ごろに配備される見通し。この事業が子どもたちの環境学習のきっかけにはなるかもしれないが、実際のペットボトル削減にどれだけつながるのか、議会の場でもっと議論を深めてほしかった。

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