吉村知事 あるのはスピードだけ?聖火リレー“大阪中止”に野党関係者から「人のことよう言うわ」

吉村洋文大阪府知事

緊急事態宣言に準じた対策が可能となる「まん延防止等重点措置」の適用が決まった大阪府の吉村洋文知事(45)が1日、東京五輪の聖火リレーについて「大阪市の聖火リレーは中止すべき」と発言した。大阪市の松井一郎市長(57)も同様の認識を示した。大阪市内の聖火リレーは14日に行われ、大阪城公園などを通り、大阪市中央公会堂でゴール予定。五輪組織委は吉村氏らの意向を受け、この日予定していた府の聖火ランナーリストの公表を延期。府の実行委員会と今後の対応を協議し、中止となる見通し。府内のリレーや聖火到着を祝う「セレブレーション」は無観客で開催の方向だ。

吉村氏は先月30日、報道陣の取材に対し「まん延防止等重点措置になったとしても、野外でのイベントについて大きな規制が生じることはないと思う。通常の野外イベントと同様に聖火リレーも判断する」とリレーを中止しない方針を示していたが、まん防の適用で大阪市に不要不急の外出の自粛を求めることになり、一転して聖火リレーを中止すべきと判断した。

状況が状況だけに「判断は妥当」との声が多いが、ネット上では「急いで緊急事態宣言を解除したからだ」「やってる感」などとの批判も。

府政関係者は「『スピード感をもって』と言いますが、子供に図書カードを配ったり、ポビドンヨードのうがいがコロナの重症化を抑えると言ったり、松井市長が雨がっぱを集めたりと、早いだけで結果を伴ってないことがほとんどですからね。今回も急な変更でスポーツ担当部署は大慌てでした」と明かす。

また、吉村氏は市内を走る予定だったランナーへの代替案について「今後考えたい」と話したが、府の野党関係者は「リレーは『中止を言ってスゴイやろ?』っていうアピールやし、涙をのんだランナーには『万博でぜひ走ってください』って言いだすよ。立憲民主党の枝野幸男さんに対して『コロナを政治利用してる』と批判してたけど、人のことをよう言うわ」と語った。

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