前川喜平氏 こども庁創設に反対「文科省と厚労省が協力すればいいだけ」

前川喜平氏

元文科事務次官の前川喜平氏(66)が1日、ツイッターを更新。自民党が目玉政策として、次期衆院選の公約に掲げる予定の「こども庁」創設について、否定的な見方をした。

長い間、幼稚園は文科省、保育園は厚労省の管轄となっている。これを縦割りではなく一元で管理し、虐待、いじめ、貧困、教育格差などの課題に、より強力に対応しようというのが、こども庁創設派の意見だ。

だが、元文科省トップとして文科行政を知り尽くす前川氏は「こんなの目玉でもなんでもない。新しい役所を作ればいいってもんじゃない」とバッサリ切り捨てた。

返す刀で「文科省と厚労省が協力すればいいだけ。両省の職員が要らぬ仕事でまた忙殺される」と指摘。「組織いじりの前にするべきことがある。子育て支援や教育支援の予算を増やし、学校・保育所・児童相談所などの職員の処遇と配置を改善すべきだ」と提言した。

菅首相は子育て政策に重点を置きたい考えで、得意の行政改革に前向きだ。しかし、元総務相として全力を注いで取り組んだ「携帯料金値下げ」の裏で、大企業と癒着する総務官僚たちのあきれた“汚職まみれ”の実態が明らかになったばかり。

新宿の“出会い系バー”に足しげく通い、こどもの貧困問題について熱心に実地調査していた前川氏だけに、省庁再編が単なる政治家の“やってます”アピールに利用されることを警戒しているのだろう。それより、志ある役人たちが省庁の壁を越えて子供問題に全力で取り組めるよう、政治がバックアップすべきと説いた格好だ。

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