宇奈月国際ホテルを売却 立山黒部貫光 コロナで休業 再開断念

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ルートインジャパンへの売却が決まった宇奈月国際ホテル=黒部市宇奈月温泉

 立山黒部貫光(富山市桜町、見角要社長)は2日、宇奈月国際ホテル(黒部市宇奈月温泉)をホテルチェーンのルートインジャパン(東京)に売却したと発表した。3月31日付。売却額は非公表。新型コロナウイルスの影響で昨年4月から休業しており、感染収束が見通せず再開のめどが立たないと判断した。

 1987年に開業した黒部峡谷の温泉リゾートホテルで、64の客室のほか室内温水プールなども備える。立山黒部貫光が保有し、子会社の立山貫光ターミナルが運営してきた。休業前には従業員36人が勤めており、今後は別の部署で勤務する。売却に伴う従業員の解雇はない。

 立山貫光ターミナルの事業報告書によると、ホテルの宿泊客数は北陸新幹線開業の2015年度は約2万9千人でその後も2万人台を維持していたが、19年度は台風19号などの影響で約1万6千人に減少。直近は新型コロナの影響を受けていた。

 ルートイングループは全国で322のホテルなどを運営し、売上高を伸ばしている。県内には富山、高岡、魚津、氷見市に計5店がある。近く新ホテルの名称や開業時期を公表する。

■観光不振 財務改善へ

 県内を代表する観光地・立山黒部アルペンルートを運営する立山黒部貫光は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、未曽有の苦境に立たされている。

 アルペンルートの2020年の入り込み客数は前年比74%減の23万人で、全線開業した1971年以降で最少となった。最も多くの観光客が訪れる「雪の大谷」シーズンを含む2カ月間にわたる営業休止や訪日外国人客の激減、国内での旅行自粛が響いた。

 利用者が見込めないことから、20年は保有するホテル立山と弥陀ケ原ホテル、宇奈月国際ホテルの三つのうち、ホテル立山のみ営業した。

 同社が北陸財務局に提出した20年4~9月の半期報告書によると、営業収益は前年同期比87.3%減の7億円、純損益は20億円の赤字(前年同期は8億円の黒字)だった。10月以降も状況は改善しておらず、通期でも最終赤字を計上する見通しだ。

 同社総務課は「ホテルの維持費が経営を圧迫していた」と説明。宇奈月国際ホテルの売却により財務体質の改善を図るといい、「現時点で他二つのホテルの売却予定はない」としている。(相川有希美)