ベルガー、レッドブルF1首脳マルコの後継者となる可能性を否定「彼は引退はしない」

 レッドブルでモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、4月に78歳になる。年齢から将来の後任候補について取り沙汰されるなか、有力とみられる、同じオーストリア出身のゲルハルト・ベルガーが、マルコの近い将来での引退を否定した。

 マルコはほぼ20年にわたりレッドブルのモータースポーツ活動の責任を担ってきた。ふたつのF1チーム、レッドブル・レーシングとアルファタウリ/トロロッソへの投資を監督するとともに、若手ドライバープログラムのメンバーを管理し、その過程でドライバーたちのキャリアを推進していったり、終わらせたりしてきた。

 現時点では、マルコがレースウイークエンドを現場で過ごす生活をやめ、故郷グラーツでのんびり過ごしたいと考えているような兆候は見られない。しかし近い将来に退任を決めてもおかしくない年齢ではある。

2021年F1プレシーズンテスト ヘルムート・マルコ(レッドブルのモータースポーツコンサルタント)

 DTMドイツ・ツーリングカー選手権を運営するITR e.Vの代表を務めるベルガーは、元F1ドライバーで、マクラーレンやフェラーリなどで走り、10回の優勝経験を持つ。2006年から2008年にはレッドブル社オーナーのディートリッヒ・マテシッツと共にトロロッソの共同オーナーを務め、マテシッツやマルコとは親しい間柄だ。そのため、マルコが退任を決める時が来て、後任を選ぶことになった場合、ベルガーが最適の人選なのではないかという見方がある。

 その可能性について聞かれた61歳のベルガーは、マルコが今の仕事から引退することは当分考えられないと答え、レッドブルのF1活動においてマテシッツとマルコの存在は不可欠であるとも語った。

「ヘルムートはできる間はずっと今の仕事をするだろう」とベルガーは『Formel.de』のYouTubeチャンネルで語った。
「(レッドブルにとって)彼らはカギとなる存在だ」

 ベルガーはまた、DTMでの職務とマルコの後任のポジションは両立できないと答えた。ただし、レッドブルから必要とされれば、折に触れて手を貸すつもりだとも述べている。

「(レッドブルでの仕事は)今のDTMでの職務とは両立できない。私はDTMに110パーセント専念しており、最終コーナーまでではなくフィニッシュラインに到達するまで関わりたいと思っているからだ」とベルガー。

「レッドブルが何らかの形で私の助けが必要なら、私はいつでも手を貸す用意はできている。(自分とマテシッツ、マルコは)長年の友人であり、親しい友人の間では常に相手のために何かをしようとするものだ」

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