<美のチカラ>東京芸大美術館「渡辺省亭展の魅力」

東京都内に数多くある美術館から、魅力ある作品を紹介していく新コーナー<美のチカラ>です。記念すべき第1回は、上野公園にある東京芸術大学大学美術館で開催中の「渡辺省亭展」をご紹介します。

1999年に建てられた東京芸術大学大学美術館は、上野駅から公園の桜を楽しみながら歩くことおよそ10分のところにあります。施設自体にアートが感じられ、例えば階段は楕円(だえん)形のらせん階段になっています。

現在開催されているのは、明治から大正にかけて活躍した東京・神田産まれの日本画家、渡辺省亭の展覧会です。ポスターにも使われている代表作「牡丹に蝶の図」について、東京芸大美術館の古田亮教授は「華やかという意味で一番きれいかもしれない作品。色使いが艶やか。白・ピンク・緑といった配色がすごく明るい」といいます。さらに「普通は枯れていく花は描かないと思うが、それをあえて(花びらが)だんだん落ちていくように描き、最後に落ちたところを描く。時間が流れていることも感じさせる。近寄っていろいろなところを見ると、見た数だけ別の世界が待っている」と作品鑑賞の魅力を語りました。

渡辺省亭の作品の全貌を感じることができる初めての展覧会の魅力については、次回の<美のチカラ>でもご紹介します。

© TOKYO MX