“非接触参拝”コロナ退散 小浜神社、動画で試み

動画で鈴の音を鳴らしながら願い事をする参拝客=雲仙市、小浜神社

 雲仙市小浜町の小浜温泉街にある小浜神社は、新型コロナウイルス感染防止策で拝殿の鈴の緒(お)(縄)を取り外し、代わりに鈴を鳴らす動画を視聴するタッチレス(非接触型)参拝を試みている。4日の「小浜温泉湯祭り」を前に、進藤喬薫(たかしげ)宮司は「コロナ禍以前の参拝の形に少しでも近づけたい」と話している。
 拝殿の鈴の近くの柱に、QRコードを印刷した紙が貼ってあり、参拝客はスマートフォンなどでコードを読み込むと、「ガランガラン」と鈴が鳴る様子を12秒の動画で見ることができる。
 新型コロナ禍で多くの神社では、大勢の参拝客が鈴の緒に触れることによる感染拡大を防ぐために、緒を取り外している。小浜神社も昨年末から同様の対応をしているが、3月中旬に氏子の男性が「鈴を鳴らさないと神様に願いが届かないのではないかと心配。例えば動画にできないか」と冗談交じりに話したのをきっかけに、QRコードと動画の活用を始めた。
 進藤宮司は「鈴の音には、お清めと参拝の合図の意味合いがある。これからも柔軟な発想で感染予防に取り組んでいきたい」と話している。
 今年の「湯祭り」は昨年に続き、みこし行列や打ち上げ花火を中止するが、4日午前9時半から同神社で、コロナ退散を祈願する湯立(ゆたて)神事を執り行い、小浜ちゃんぽんなどを販売する。

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