雪中貯蔵施設「ユキノハコ」 安塚区樽田にオープン 雪国の文化体験 観光需要増にも期待

 安塚区樽田に、木造2階建ての雪中貯蔵施設「ユキノハコ」(雪室)がオープンした。雪中貯蔵効果による農産物の高付加価値化、中山間地域の所得向上を図る他、雪国の歴史や雪室文化を見て、触れて、体験できる、観光対応型施設としての活用も期待される。

 貯蔵庫、貯雪室を囲むように設けられた雁木の回廊は、雪国の生活や文化を紹介するパネルを展示。雪室を設計した海法圭さん(38、東京都)は「川のせせらぎ、吹き抜ける風、扉を開けて見える山や田の風景から、雪と付き合いながら棚田を営む農家の暮らしを感じてほしい」と話し、「木造の雪室は全国でも珍しい。農家の人が誇りに思える施設になってほしい」と願った。

木のぬくもりあふれる雁木の回廊。風や川の音が聞こえ、突き当たりの扉を開けると風景が現れる

 2階の見学ブリッジは雪国の寒さを体感しながら、室温5度に保たれた貯蔵庫内の農産物や貯雪室の様子を見ることができる。貯雪に使われる雪は最大90トンで、その量は天井近くまで迫る。また、かつて使われていた民具や農具を展示、紹介するスペースがある。

2階ブリッジでは天井近くまで雪が詰まった貯雪室を見学。室温は常時約5度に保たれている
みのやわらぐつ、田植え枠など、かつて農家で使われていた道具を展示

 雪室の見学は4月から、土日、祝日に実施予定。見学は無料。詳細は上越市のホームページなどに掲載する。

© 株式会社上越タイムス社